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「『水曜日のダウンタウン』は美味しいんです」“大食い魔女”菅原初代58歳に聞く“TV収録の知られざるウラ側” 一番キツかった企画は?
text by
音部美穂Miho Otobe
photograph byWataru Sato
posted2022/06/03 11:00
現在は岩手県でパン店を営みながら、バラエティなどにも出演している菅原初代さん
「民放だとグルメ企画が多そうだから。特に、テレ東は『元祖!大食い王決定戦』の再放送があったら悲惨なことになりますからね(笑)。実際には、『大食い王』の再放送はなかったけど、やはり民放はグルメ番組が出てきて大変だったみたいです。
ちょうど西城秀樹さんが亡くなった頃で、『ヒデキ、感激!』のカレーCMが各局で流れていたんですよ。だからどの局でもカレーがやたら出てきて、私もカレーを食べました。
とはいえ、やっぱり他局に比べたらNHKは少なかったですね。相撲中継の時間に映った食べ物といえば塩だけ。あとは力士が口に含む力水。朝ドラで、一家で食卓を囲む団欒シーンが出てくるかと思いきや、喫茶店のシーンで登場人物がお茶を飲んだだけでした(笑)」
「大食い×ストラックアウト」で事前に番組に出した要望
今年はじめに放送された「大食い×ストラックアウト」の企画も話題を呼んだ。
野球ボールとほぼ同じ大きさのおにぎりを1個食べるとボールを1つ投げられるというもので、ストラックアウトの9枚の的を一番早く射抜いたチームが勝ちというルールだ。
菅原は150gのおにぎりを27個完食。世間を驚かせたが、本人は飄々と語る。
「やっぱりおにぎりって思ったよりも食べられないんだなって感じました。同じ重さであっても、ギュッと握ったおにぎりより、握らない状態のご飯の方が食べやすいんですよ。握られたものを食べるには、水分をとらないといけないので。
この時のおにぎりは新米だったのでおいしかったとはいえ、塩むすびばっかりではさすがに飽きる。ただ、海苔が巻かれていなかったのは良かったですね。番組からの事前アンケートで『海苔は巻かないで』って要望を出しておいたんです。海藻はお腹の中で膨張するため、大食いには向いてないので」
ジャイアント白田と「食べログの悩み」
このストラックアウト企画で同じチームになったジャイアント白田とは、他の企画でも共演の機会が多い。2007年にフードファイターを引退した白田は現在、タレントとしてバラエティ番組などに出演する一方で、「串カツ しろたや」を経営するなど、実業家としても活躍している。
「実は、私が初めて出た男女混合戦が、白田さんが引退する大会だったんです。だから現役時代に交流はなかったんですが、今も会えばやはり自然と食べ物の話題になりますね。
大食いの話だけじゃなくて、お店の話もしますよ。私もパン屋をやっていて、規模は違えど互いに経営者なので。『食べログに、突然、すごく低い評価をつける人が現れ出してさ』みたいな、飲食業の経営者ならではの悩みとかね(笑)」