沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
日本ダービー6度目の快挙…ドウデュースを導いた武豊53歳、実際どこが“神騎乗”だったのか?「いかにも武らしいオペレーション」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKeiji Ishikawa
posted2022/05/30 12:00
“競馬の祭典”日本ダービーを制したドウデュースと武豊。左は2着のイクイノックス
凱旋門賞挑戦が楽しみな理由
「ダービーのウイニングランの景色はぼく自身久しぶりでしたし、ジョッキーとしてこれほど幸せな瞬間はないですね。これからもドウデュースとともに、世界を含めて頑張っていきたいと思います」
次なる大目標は、登録済の凱旋門賞(10月2日)だ。
馬主のキーファーズの松島正昭代表は「武豊騎手で凱旋門賞を勝つことが夢」と公言している。
斤量面で有利な3歳時にチャレンジできるのは大きいし、回転の速いピッチ走法は、パリロンシャンの重い馬場でも破壊力を保てそうなだけに、楽しみだ。
ダノンベルーガはなぜ負けた?
首差の2着は、クリストフ・ルメールのイクイノックス。大外18番枠から出て、道中は後方3番手に待機。直線で外に出すときややスムーズさを欠いたが、メンバー最速の上がり33秒6の末脚でドウデュースに迫った。直線で2度ほど余計に手前を替えていたのは、苦しかったからか。敗れはしたが、相当な器であることは間違いない。
イクイノックスから2馬身差の3着には7番人気のアスクビクターモアが入った。積極的に2番手のポジションを取りに行き、ラスト400m地点で先頭に立った。ハイペースのなか2番手から伸びていたのだから、この馬も相当強い。
1番人気のダノンベルーガは4着だった。道中は中団につけ、直線でジオグリフの内に併せて伸びたが、コンマ4秒及ばなかった。いわゆる「脚があれば勝てる競馬」はできていた。まだ成長途上ということか。
これで年明けからのGIの1番人気の連敗は「10」となり、ワースト記録をまた更新してしまった。
ダービーからダービーへ。今週末から来年のダービーを目指す2歳馬たちの新馬戦が始まる。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。