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武豊「負けたダービーは全部悔しいですよ」スペシャルウィーク初制覇から“20代~50代すべて勝利”の偉大さ… ルメールも「ユタカさんは憧れ」

posted2022/05/30 17:02

 
武豊「負けたダービーは全部悔しいですよ」スペシャルウィーク初制覇から“20代~50代すべて勝利”の偉大さ… ルメールも「ユタカさんは憧れ」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

日本ダービー通算6勝目を飾った武豊

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NumberWeb編集部

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Keiji Ishikawa

雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は史上最年長53歳での日本ダービー(東京優駿)制覇を成し遂げた武豊にまつわる4つの言葉です。

 
<名言1>
負けたダービーは全部悔しいですよ。
(武豊/Number978号 2019年5月16日発売)

 ◇解説◇

 武豊が久々に、ダービーで渾身のガッツポーズを見せた。

 29日に東京競馬場で行われた日本ダービー、武豊騎乗の3番人気ドウデュースが直線で後方から一気に差し切り、2分21秒9のレースレコードで優勝した。そしてこの勝利によって、武豊は前人未到6度目のダービー制覇、さらには史上最年長53歳2カ月15日での同レース勝利となった。

 1998年:スペシャルウィーク/29歳

 1999年:アドマイヤベガ/30歳

 2002年:タニノギムレット/33歳

 2005年:ディープインパクト/36歳

 2013年:キズナ/44歳

 2022年:ドウデュース/53歳

 20代から50代まで、4つの年代すべてでダービー制覇を経験したことになる。これだけでも偉大なジョッキーであることがわかる。

 1988年ダービーデビュー以降、武豊は“競馬の祭典”においても常に主役であり続けてきた一方で、人一倍悔しさも味わってきた。1番人気ながら2着に終わった1996年のダンスインザダーク、2000年のエアシャカール……。

「何着でも負けてしまえば、悔しいものは悔しい。そこに差はありません」

 稀代のスタージョッキーであっても、迷ったまま乗ったことを悔いるレースが多々あると言うが、しかしながら、ことダービーにおいては不思議と“後悔”の念は「あまりない」。勝利の美酒だけでなく、敗戦の味すらも特別——。全身全霊を懸けて挑む一戦だからこそ、記憶が鮮明なのだろう。

ディープインパクトに騎乗するという重圧

<名言2>
ディープでゴールした時は、毎回心底ホッとしてたよ。
(武豊/Number927号 2017年5月18日発売)

 ◇解説◇

 ディープインパクトは無敗での三冠制覇をはじめ、種牡馬になってからも数々のGIホースを輩出した名馬であり、平成の日本競馬史を変えた1頭と表現して過言ではない。

 そのディープの全14レースの鞍上を任されたのは、武豊だった。スターホースゆえ、天才ジョッキーですら大きなプレッシャーに悩まされた。

「勝てるとは思っていても、競馬だからやってみなければどんな結果がでるかわからない。勝っても『やったー』ではなくて『やれやれ』という気持ちだった」

 それほどまでに日本じゅうから「強さ」を求められた馬だった。皐月賞を制して臨んだ日本ダービーでは、優勝インタビューでこんな言葉を残している。

【次ページ】 ルメールが「憧れ、尊敬する先輩」と語るワケ

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