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「連敗? 自分は何も気にしないです」堀口恭司が語る“格闘家としての理想“と“挑戦者のスタンス”《天心vs武尊の見どころも解説》
posted2022/05/13 11:01
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
Yuki Suenaga
――今日はよろしくお願いします。日本は久しぶりですよね(取材日:5月2日)。
堀口 そうですね、1年半ぶりぐらい。まだ次の試合の予定もないので、今回は3週間ぐらいで日本を満喫したいと思っています。ただ、マネージャーがどんどん仕事を入れるので、まだ遊び回れていないんですけど(笑)。
――先日のパッチー・ミックス戦は惜しくも敗戦。格闘家人生の中でも初の連敗となりました。
堀口 勝負事なので勝ち負けはありますが、やっぱり自分は“勝ち”を目指してやっているので、しっかりと“借りを返す”というか、今は逆に燃えています。ずっとチャンピオンでいたことで、モチベーションが微妙なところもありました。この連敗で(モチベーションは)上がっていますよ。「見てろよ」っていう感じです。
――前回はKO負け、今回は判定までもつれました。すでにご自身のYouTubeなどでもお話しされていましたが、改めて心境を教えていただけますか?
堀口 (セルジオ・)ペティスに負けた時はKOだったので、意識が戻った時は病院にいました。だから「負けた……」というよりは「やっちゃった」「何をもらったの?」みたいな感じ。ミックス戦はセコンドも(試合内容を見て)ちょっと微妙だねという感じで。やっぱり最後の判定が出た時は悔しさがありましたね。でも判定って、人が決めることじゃないですか。もちろん負けてますけど、自分の中ではしっかり対処できた部分もあったので、下を向いているというよりは、次を見ています。
――この敗戦をプラスに捉えていると?
堀口 そうですね。もう少し対処できたかな、とか、こういう反応すれば相手はもっと嫌だっただろうな、とか、すごく研究できる試合でしたね。
――“次”に向けた具体的なプランはありますか?
堀口 アメリカにいると(自分のルーツである)空手の練習が限られてしまうので、それをもうちょっと取り入れたいなと。原点に戻る、じゃないですけど。今回も空いている日があればやりたいです。
――総合格闘技において「空手」のどんな部分が生かされるのでしょうか?
堀口 簡単にいうと、距離感やスピード感がボクシングやキックボクシングなどの他の格闘技にはない。だいぶ有名にはなってきましたが、まだ伝統派空手というジャンルが(アメリカで)そこまで浸透していないですし、使える選手も少ないので有効なのかなと思っています。