濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「リングを降りたら素でいたい」 元アイドルはパワーファイターに…スターダム・ひめかが“ネガティブな自分”もさらけ出す理由《特別グラビア》
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byYuki Suenaga
posted2022/04/28 17:02
4月29日、スターダム最高峰のベルトに挑戦するひめか
「“大人になったら結婚しようね”って」
個人で結果を出すことが、DDMのためにもなると今では思える。朱里はDDMを抜け、4月に自分のユニットGod's Eyeを作った。今年、DDMに加入したMIRAIも朱里に続いた。今は新たなDDMを模索する時期。そこで自分が赤いベルトを巻けば、ユニットのあり方、見え方も大きく変わる。
「5月5日には舞華が白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)に挑戦しますし。2人でチャンピオンになって、ベルトをかけて初のシングル対決をやりたいです。そうなったら“DDMはジュリアありき”というイメージも変わるはず。
それに、今のスターダムはパワーファイターが増えてるんですよ。ファイトスタイルが同じだと使う技も似てくる。その中でも“スターダムでパワーファイターといったらひめかだよね”というところまで突き抜けたいです」
アイドル好きのティーンエイジャーが、気がつけば「パワーファイターとして誰にも負けたくない」という野望を抱くようになるのだから人生は分からない。それでもやっぱりアイドルは好きで、試合三昧のゴールデンウィークもハロプロ研修生公演が気になる。
「小野田華凜ちゃんがねぇ、可愛いんです」
ちなみに最愛の岡田ロビン翔子は昨年結婚。相手は人気声優の山寺宏一だ。「山ちゃんと結婚した元アイドル」としてロビンを知った人も多かっただろう。
「中学生の時、握手会で“大人になったら結婚しようね”ってロビンちゃんと約束したのに。おかしいなぁ。推しの幸せは自分の幸せなので嬉しいですけど。でも一緒にディズニーランドに行く夢は諦めてないので(笑)」
それもまた、ひめかの“素”だ。超人でも怪物でもなく、しかしリングに上がったら相手を軽々と担ぎ、投げ捨て、打撃を叩き込む。学生時代の「不純な動機」が巡り巡って、プロレスファンは今、スケールの大きなパワーファイターの闘いを楽しむことができている。
(撮影=末永裕樹)
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