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「リングを降りたら素でいたい」 元アイドルはパワーファイターに…スターダム・ひめかが“ネガティブな自分”もさらけ出す理由《特別グラビア》 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byYuki Suenaga

posted2022/04/28 17:02

「リングを降りたら素でいたい」 元アイドルはパワーファイターに…スターダム・ひめかが“ネガティブな自分”もさらけ出す理由《特別グラビア》<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

4月29日、スターダム最高峰のベルトに挑戦するひめか

スターダムへの思い「誰もが上がれるリングじゃない」

 アクトレスガールズでのひめかは、団体屈指の実力派として他団体のタッグベルトも巻いた。アルゼンチン・バックブリーカーやラリアットなど体格を活かしたパワフルな攻撃が持ち味。2020年3月に退団すると、6月からスターダムへ。レスラーとしてのステップアップを考えてのことだった。当時のスターダムは他の団体とほとんど交わらず、ひめかには別世界に見えた。だからこそ、そこで闘いたかった。

「誰もが上がれるリングじゃない。選ばれし者のための舞台でみんながキラキラしている。そんなイメージでした」

 スターダムはユニットでの闘いがマッチメイクの基本。ひめかはジュリアが作ったDonna del Mondo(DDM)に加入した。そこしか考えられなかった。ジュリアがアイスリボンにいた頃からの仲だ。2019年、男女さまざまな団体が横浜ラジアントホールで連続で大会を開催する「横浜プロレスまつり」にアイスリボンとアクトレスガールズも参加。2人はその中の企画である「ヤングジェネレーションバトル」のメンバーだった。4日で8興行に出場という試練を乗り越えた戦友だ。全日本で試合をしたアクトレスガールズの先輩、万喜なつみも「なつぽい」にリングネームを変えてひめかのすぐ後にスターダム、そしてDDMに来た。

「不思議なんですけど、全部つながってるんですよ。ロビンちゃんが好きだったからアイドルになって、スルースキルズだったからプロレスを知って。スルースキルズが解散してなかったらレスラーにはなってないと思いますし。それにアイドル時代に誘われた団体もあったんですけど全日本で試合ができると思ってアクトレスガールズに入って、だから横浜プロレスまつりでジュリアと一緒になって、今なつぽいとも同じユニットにいる。流れでそうなった感じはありますね。ここまで出会った人みんなに感謝しないと。でも自分で動いたからこそ今の状況があるとも思ってます」

「アイドルだった過去を捨ててプロレスを始めたんです」

 スルースキルズが解散して、プロレスラーになることを決意したのは自分だ。デビューした団体を離れる決断も。風当たりはずっと強かった。

「自分としては、アイドルだった過去を捨ててプロレスを始めたんです。でも“どうせアイドル”とか“プロレスを次の活動の踏み台にするつもりだろう”と言われちゃうんですよね」

 元アイドルだから、偏見を振り払うため余計に早く力をつけなくてはいけなかったのだ。スターダム入りと同時にリングネームをアイドル時代と同じ本名の「有田ひめか」から「ひめか」にしたのも、プロレスラーとしての独り立ちという気持ちからだった。今ではキャッチフレーズの“ジャンボ・プリンセス”のルーツを知るファンも少なくなったようだ。

「アイドルだったくせにじゃなくて“アイドルだったの?”くらいですね、スターダムのファンは。団体が変わって、前から見ている人には裏切り者って言われたりもしましたけど(笑)」

【次ページ】 今の若手の姿に「複雑」だと語る理由

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