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「髪型は自由でシゴキも皆無」元日ハム・大嶋匠が明かす男子ソフトボール部の“ユル~い文化”「冬場はひたすらサッカーでした(笑)」
text by
菊地高弘Takahiro Kikuchi
photograph byJIJI PRESS
posted2022/04/26 17:00
2013年、プロ1年目の大谷翔平とグータッチする現役時代の大嶋匠さん。ふたりは同年のキャンプで相部屋だった
「ソフトボールは進路に有利」と語る理由
――ソフトボールと野球を両方経験した大嶋さんが感じる、ソフトボールの面白さとはどんなところでしょうか?
大嶋 やっぱりスピード感じゃないですか。投手と本塁までの距離も、塁間の距離も短いので、ちょっと打球を弾いただけでセーフになってしまう。プロで野球を始めて、最初は一塁まで果てしなく遠くに感じました。
――プロ野球選手として、本来ならありえない感想ですね(笑)。
大嶋 でも、逆にソフトボールに戻ったら今度は一塁までめちゃくちゃ近いと感じました。あとソフトボールは7イニング制なので、投手戦なら1時間ちょっとで終わるという意味でもスピーディーです。
――ソフトボールをやっていてよかったと感じることはありますか?
大嶋 これはつねづね思っていることですが、ソフトボールは進路に有利です。実は高校に進学する段階で僕は野球をやりたいと思っていたのですが、新島学園の先生から「ソフトボールならいい大学に行けるぞ」と言われてソフトボールをやろうと決めました(笑)。
――たしかに大学のスポーツ推薦を得るには、全国大会の実績がものをいうケースが多いと思います。大嶋さんも推薦枠が少ない早稲田大に進学していますね。
大嶋 力を入れている大学ソフトボール部は多いですから。競技人口が少ない男子ソフトボールは確率的にインターハイに出やすいので、推薦を狙いやすいです。群馬の高校男子ソフトボール部は8校くらいしかありませんでした(2021年は4校)。
――野球など他競技から転向するケースもあるのでしょうか?
大嶋 中学、高校は内部進学生がほとんどだったのであまりなかったですが、大学の僕の学年は半分くらい高校野球経験者でした。野球部の水が合わず、ソフトボール部に転部してきた後輩もいました。みんなすぐ順応していましたよ。
――野球からソフトボールに転向して、戸惑う部分はどんなところでしょうか?
大嶋 野球経験者はみんな、ソフトボールの「ライズボール」にビックリしますね。ボールが浮き上がって見えるなんて、野球ではなかなか体験できないですから。