二所ノ関親方、部屋をつくるBACK NUMBER
「技術」――映像研究と鍛錬の掛け合わせ。
posted2022/04/22 07:00
text by
二所ノ関寛Hiroshi Nishonoseki
photograph by
二所ノ関部屋
春場所も終わって茨城に戻ると、桜が満開になっていました。いま、弟子たちは夏場所に向けて稽古に精進しています。
春場所前、尾車部屋の力士が二所ノ関部屋に転籍してきたことで活気ある稽古場が実現しつつありますが、幕下の力士もおり、私が土俵で技術を指導する機会が多くなってきました。
技術をどう伝達するか。その点についてはそれぞれの親方が考え、工夫を凝らしています。私が早稲田大学の大学院で研究していた時、部屋の経営と同時に興味を持っていたのは、最新のテクノロジーをどうやって指導に生かすかということでした。田子ノ浦部屋の部屋付きの親方として後輩たちを指導していると、言葉で説明するよりもタブレットを使って映像や画像で説明した方が、伝達速度が速く、正確だということに気づいたからでした。