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『関取になれなかった男たち』なぜ君は関取になれなかったのか。「たられば」の悔いが残る6篇。 

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posted2022/04/11 07:00

『関取になれなかった男たち』なぜ君は関取になれなかったのか。「たられば」の悔いが残る6篇。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『関取になれなかった男たち』佐々木一郎著 ベースボール・マガジン社 1870円

 関取になれば、化粧廻しを締められる、大部屋から個室になる、なにより給料がもらえる、つまりは力士として一人前になる。本書は幕下筆頭にまでいきながら、あと一歩のところで、それが叶わなかった元力士6人を取材したもの。読み進めるほど、書名にある「関取になれなかった」の意味が多義的に膨らんでいく。“付け人で終わってしまった”との意味もそこにある。

 最初に登場する春日国は、3人の横綱に仕え、信頼される付け人であった。

「俺の下で頑張って上がろうよ」

 横綱・日馬富士がそんな春日国にかけた言葉だ。自分のために一生懸命になってくれる者に、一人前になって欲しいとの思いからの言葉である。

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