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4万人の大歓声と“Booooo〜” 大谷翔平の開幕戦を現地LAファンはどう見た? アンケートでは“今季25勝、64本塁打”予想も!?
text by
斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byGetty Images
posted2022/04/12 17:00
試合前に大谷翔平への期待値を測るアンケートを実施。大谷Tシャツを着るファンの姿はすっかり見慣れた光景となった
一方で、対するアストロズの選手には開幕戦から大ブーイングが浴びせられた。プレーボールで打席に立った1番打者アルテューベには容赦ない「Booooo〜」の声。そして、大谷が見逃し三振に打ち取ると、大歓声が上がった。
事の発端は19年の11月。ワールドシリーズを制覇した17年にアストロズが電子機器を利用したサイン盗みをしていたことが報道された。その後、アストロズは当時のジェフ・ルーノーGMとヒンチ監督を解任。報道とMLBの処分を受け、世間からアストロズに非難が集中。20年シーズン以降、敵地の試合でブーイングが浴びせられるようになった。
エンゼルスが8年ぶりのプレーオフ進出を果たすためには、負けられない同地区のライバル球団。ファンにとっても宿敵だ。特に17年に主力として活躍していた1番アルテューベと、3番ブレグマンに対しては「Cheater(詐欺師、ずるい人)!!」という大きなかけ声とともに、毎打席で大ブーイングが起きた。
こうした背景も後押ししたのか、投打で打倒アストロズに燃えていた大谷に、ファンは熱狂した。投手では4回2/3を投げ、4安打1失点、毎回三振で9奪三振をマークした。第一球で投じた直球は、この日最速の99.8マイル(約160キロ)を計測。結果としては黒星となったが、マドン監督は「非常に良かった」と高く評価した。
球速は3.5キロUP、女房役はカーブを絶賛
直球の平均球速は97.8マイル(約157キロ)で、昨季より2.2マイル(約3.5キロ)速くなっており、同監督も「スピードガンを見れば分かっただろうが、97~99 マイル の直球が多かった。これまでなら序盤でそんなに速いことはなかった」と指摘。それだけでなく、カットボールのように曲がるくせ球にもなっていた。
さらにこの日はカーブを11球投げ、配球の14%を占めた。左の強打者タッカーから空振り三振を奪うなど、効果的に使用。昨年は配球の3.6%だったことを踏まえれば大幅増で、決め球の選択肢が増えたと言える。
バッテリーを組んだ捕手のスタッシも「カーブは素晴らしかった。彼は5つも6つも決め球を持っている。多くの選択肢があることで、プランB、C、Dと変えられるし、全てがうまくいく。それは昨年と少し違うところかもね」と、投手大谷の進化をたたえた。