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“V率100%”も苦境のソフトバンク…「口ひげの1番打者」三森大貴23歳に覚醒の予感「三森が指を差せば何かが起きる」「三森軍師!ステキ!」
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph bySankei Shimbun
posted2022/04/12 11:01
開幕ダッシュを決めたソフトバンク。栗原&柳田の離脱をカバーしているのが、“ひげのリードオフマン”三森大貴だ
ただ、軍師を辞書で調べると「軍中において、軍を指揮する君主や将軍の戦略指揮を助ける職務を務める者」とある。野球に例えるならば、監督を支えるヘッドコーチに相当するのではないか。
では、なぜ三森が軍師なのか。
じつはこれ、珍プレーが起源となっている。2年前の7月11日のイーグルス戦のことだ。八回裏無死一塁で打者・三森はバントの構えをしたが、ボール球でバットを引いて見送った。この後にややこしい出来事が起きた。
イーグルスの捕手・太田光が捕球を誤り、一瞬だけボールを見失ったのを見た一塁走者の牧原大成は二塁へスタート。しかし、太田はすぐにボールを見つけて二塁へ送球。牧原大は塁間の真ん中から慌てて帰塁した。イーグルス遊撃手の茂木栄五郎は素早く一塁へ送球。すると、これが牧原大のヘルメットに当たり、勢いそのままに一塁コーチャーの本多雄一コーチのヘルメットにもWヒット。記録悪送球で結局、牧原大は三塁へと進んでいった。
この珍プレーに三森は無関係に映るのだが、最初に太田がボールを見つけた時に、なぜか三森が「牧原大を刺せ」と指示を送るように二塁方向を指差しており、「いったい何のため?」とファンの間で話題となった。
ファン「三森が指を差せば何かが起きる」
さらに「三森が指を差せば何かが起きる」「ポジション争いをしていた牧原大を蹴落としたかった説」「その後の珍展開を読み切っていた説」など憶測でファンが盛り上がり、策士ぶりから「軍師」という呼称が生まれたのだった。
藤本監督をバットで助ける軍師・三森。下半身の張りで欠場した10日、11日のライオンズ戦は奇しくも2戦連続無得点に終わり、改めて現在のホークス打線における三森の重要性が浮き彫りとなった。
ひげのリードオフマンが、今年の藤本ホークスに欠かせないキーマンとなりそうだ。
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