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“V率100%”も苦境のソフトバンク…「口ひげの1番打者」三森大貴23歳に覚醒の予感「三森が指を差せば何かが起きる」「三森軍師!ステキ!」
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph bySankei Shimbun
posted2022/04/12 11:01
開幕ダッシュを決めたソフトバンク。栗原&柳田の離脱をカバーしているのが、“ひげのリードオフマン”三森大貴だ
「打てなかったら、剃るかもしれないです」
そんな風に話していたが、先述したプロ初ホームランは今季の数ある快音の1つにすぎない。
絶好調の要因は「あまり喋りたくないですね(笑)」
開幕から対戦ひと回りを終えた4月10日時点で、パ・リーグ2位の打率.366がまず目につくが、他のランキングでも15安打、9打点、出塁率.458、9得点の4部門でリーグ1位(タイも含む)となっている。
打点はともかく、チームの1番打者として完ぺきな仕事ぶりだ。特に出塁率である。三森といえば積極打法が持ち味で、昨季も345打席で11四球しか選んでいなかった。それが今季は、現時点で7四球をきっちり選んでいる。
三森に訊くと「積極打法を変えるつもりはないです」とキャンプ中から同じ答えを繰り返してきた。
しかし、数字に“変化”が現れている。少ししつこく食い下がってみると――。
「うーん、そこはあまり喋りたくないですね(笑)」
珍しく表情が少し緩んだ。そして、言葉を継いだ。
「打席の中で考えをはっきりしておくというか、迷って振ることがないように、しっかりと。どこか迷いがある時は、打撃コーチとも話をしながらやっていきたいです」
この時だけ、それまでより少し早口になった。
ニックネームがなぜ「軍師」?
好成績もさることながら、口ひげ効果も相まって23歳の若さにして風格も兼ね備えつつある。
そんな三森だが、一部ファンの間では「軍師」というニックネームで呼ばれている。選手間で聞いたことはないが、プロ初ホームランを放った際には107万フォロワーを誇るホークス球団公式ツイッターまでもが「三森軍師!ステキ!」「流れを変える軍師の逆転3ランホームラン!」と呟き、もはや球団公認となっている。