2021年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
年間1000ステージ…超多忙・オズワルドが警戒するM-1決勝“未出場コンビ”5組の名前「そろそろ彼らの世代の番なんだろうなと」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byKeiji Ishikawa
posted2022/04/10 17:02
結成7年で3年連続の決勝進出だったオズワルド。畠中悠(34歳、左)と伊藤俊介(32歳)。東京吉本所属
畠中 真空ジェシカ、ランジャタイさん、モグライダーさんあたりは、いつも一緒にライブをやってたメンバーなんですよ。
伊藤 僕らが外のライブに出始めた頃から、モグ(ライダー)さん、ランジャ(タイ)さん、錦(鯉)さんあたりは、ものすごいオーラを発してましたから。
畠中 同期の真空ジェシカもライブでの人気はすごかった。
――今回、そういう仲間と一緒にM-1決勝に出られて、また別の喜びもありましたか。
畠中 いや、むしろ怖いですよ。来ちゃったな、って。お笑い変態というか、お笑い偏差値の高い人たちの支持を集めていた芸人たちが、一般の人たちにも認知され始めたということですから。
伊藤 ただ、あの世代は今回、けっこう出尽くしたな。あと誰がいるかな。ケイダッシュのヤーレンズさんとかか。
畠中 今のM-1は、東京の小さな劇場でやっている人たちが、ものすごく出やすい雰囲気になってると思うんですよ。
畠中 その下が、また、とんでもなくたくさんいますから。劇場を賑わしているやつらが。ママタルトとか、ストレッチーズとか、赤もみじとか。もう彼らの番なんだろうなとも思いますしね。
――今年はこんなネタでいこうというのは、少しずつ、出てきているものなのですか。
伊藤 このネタの作れなさは、やばいですね。時間がなくて。ネタもそうなんですけど、笑いを取れるフレーズみたいなのも、どんどん使えなくなってくると思うんですよ。「○○だってさー!」とか。
――あれは決め台詞のようなものではないんですか。
伊藤 いや、そういうところから飽きられてくるんで。もう使えないですね。
――2020年からネクタイを締めるようになったのはなぜなんですか。
伊藤 去年とは違うぞって雰囲気を出すのに、見た目の変化はいちばん手っ取り早いですから。
畠中 去年は、シャツの色を変えました。
伊藤 今年はジャケットを着ます。
――スーツを着るようになって、周りの見る目が変わったという話は、よく聞きますよね。ジャルジャルとか。今大会もロングコートダディがそうでしたよね。
畠中 男性ブランコさんもスーツを着るようになって去年、初めて準決勝まできましたから。けっこうでかいんですよ、衣装って。
――オズワルドにも切り札が、まだ残っていたわけですね。
伊藤 サスペンダーでやれることは、すべてやり尽くしたので。
<#1、#2から続く>
(写真=石川啓次)