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94年生まれ、大谷翔平が思い出す“今江敏晃のマネをしていた野球少年時代”「だから僕は羽生世代ですって」
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph byNanae Suzuki
posted2022/04/13 06:55
今季も活躍が期待される大谷翔平(撮影は2015年)。自身の少年時代を振り返った貴重なインタビューを再掲する
「いやいや、だから僕は“羽生世代”ですって。これは真面目な話です。だって、国内だけですから……北海道だけですよ。明らかにそうじゃないですか。ねぇ、僕は羽生世代ですよね。羽生君は、確実に自分の世界を持ってます。受け答えを聞いていても、自分の価値観みたいなものを持ってるでしょ。僕にはそういうところがないんで……羽生君は自分のことを言えるけど、僕は恥ずかしくて、とてもそういうことは言えません」
「だから僕は、『羽生世代だ』って言うんです」
でも、いずれは大谷世代になるのでは――。
「それは、僕が決めることじゃないから(笑)。そんなの、羽生君が『自分は羽生世代だ』って言っているようなもんじゃないですか。そういうことを羽生君は絶対に言いませんし……だから僕は、『羽生世代だ』って言うんです」
野球を始めてからずっと、大谷翔平は“今日、できることをした”という小さな自信を積み重ねて、ここまできた。その自信が岩手から東北、東北から日本ヘの道を作り、今、彼を世界への扉の前に立たせている。いずれ大谷がメジャーの舞台でトップに上り詰める日が来でも、彼は「僕は羽生世代です」と繰り返すだろう。しかしそのときにはきっと、羽生結弦がこう言っでくれるに違いない。「僕は大谷世代です」と――。
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