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「女子プロレスを背負って立つ」スターダム王者・朱里が語る“朱いベルト”への思い…岩谷麻優戦で「ドローは絶対に嫌だった」理由とは? 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byNorihiro Hashimoto

posted2022/04/07 11:01

「女子プロレスを背負って立つ」スターダム王者・朱里が語る“朱いベルト”への思い…岩谷麻優戦で「ドローは絶対に嫌だった」理由とは?<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

両国2連戦で赤いベルトを守り抜いた朱里。新ユニット「God's Eye」も結成した

明かした覚悟「女子プロレスを背負って立つ」

 そしてジュリアと岩谷に連勝した今は「女子プロレスを背負って立つ。そう言っていいと思います」。スターダムだけでなくジャンル全体を背負うという姿勢は朱里らしい。

 エンターテインメント・プロレスの『ハッスル』でデビューし、プロレスラーとしての強さを見せるべく格闘技で結果を残し、さまざまな女子団体であらゆるタイプの選手と闘ってきた。男女混合マッチで鈴木みのるとバチバチに打ち合ったこともある。

 リング上でダンスを披露することもあれば、ハイキック一発でKOするような闘いも。そうしたキャリアを総合して、朱里は「朱世界」という言葉でチャンピオンとしてのあり方を示している。デビュー14年目、スターダム以前からの歴史もあってこそ、彼女は今この位置にいる。そのことに自覚的だから「女子プロレスを背負って立つ」という言葉も出てきた。

新ユニット「God's Eye」への思い

 両国メイン2連勝は、誰にも似ていない独自のキャリアに裏打ちされたものだったと言っていい。加えて新たな決意もあった。DDMを離れての新ユニット結成だ。

「これから自分のユニットを作ってやっていくのに、ベルトを失うわけにはいかないので」

 両国でセコンドについた三浦亜美は「壮麗亜美」の新リングネームで4.3立川大会からスターダムに参戦。シンデレラ・トーナメント1回戦で自ら志願し朱里と対戦した。

 身長170cmの大型レスラー。アルゼンチン・バックブリーカーやショルダータックル、チョップを武器にスケールの大きな試合をしてきた。以前、他団体での試合を見てから、朱里は「ずっとマークしてたんです」と言う。

 朱里と壮麗のユニット名は「God's Eye」。闘いの神に選ばれしものたちという意味だ。朱里が壮麗を下すと、試合を見たMIRAIもメンバーに加わった。朱里はこれから、まだキャリアの浅い2人とともに闘っていく。責任感の強い彼女としては、MIRAIと壮麗のプロレス人生を預かるような気持ちだろう。

「自分も気を引き締めていかなきゃいけない。両国で勝って終わりじゃない。ここからがスタートです。前へ前へと進んでいくしかない」

 朱里のキャリアもまた、両国を機に新たな局面を迎えた。頂点に立つチャンピオンだからこそ、彼女に立ち止まる暇はない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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