甲子園の風BACK NUMBER
「ストップ・ザ・大阪桐蔭」プロ級左腕の前田&超強力打線という“絶望”…それでも勝ちうるチームは? 近畿に多い対抗馬、“大穴”は札幌にいた
text by
菊地高弘Takahiro Kikuchi
photograph byNanae Suzuki
posted2022/04/06 17:01
「ストップ・ザ・大阪桐蔭」の候補になる有力校を紹介していこう
昨秋の和歌山大会では伏兵・和歌山東に敗れて近畿大会出場はならなかった。中谷仁監督のきめ細やかな野球を学び、今夏に向けてどんな成長を見せるか。今夏の和歌山はセンバツで存在感を放った市和歌山、和歌山東の2校を含め壮絶な戦いになりそうだ。
“包囲網”は鹿児島、新潟にも…!?
◎鹿児島城西(鹿児島)
理由:「九州きってのタレント軍団」と「ユニークな采配」
寸評:昨秋の九州大会では1回戦敗退ながら、九州国際大付(福岡)を相手に4対6と好勝負を演じたタレント軍団。左の強打者の藤田剛に、新2年生の大型右打者である明瀬諒介、池野航大が並ぶクリーンアップは破壊力抜群。とくに明瀬は身長183センチ、体重95キロの巨体を生かし、腰の入ったスイングで広角に飛距離を伸ばせる。投手としての将来性も高く、いずれ全国区の選手になりそうだ。
昨秋の九州大会では左投げの選手を三塁手として起用するなど、NPB通算1599安打を記録した佐々木誠監督の常識にとらわれない采配にも胸が躍る。鹿児島はセンバツに出場した大島もおり、昨秋の県大会決勝は延長13回の激戦の末、大島がサヨナラ勝ちを収めている。鹿児島城西が今夏に甲子園切符をつかみ取れれば、全国有数の強豪にのし上がりそうな予感が漂う。
◎日本文理(新潟)
理由:「新潟初のドラ1を狙える右腕ら充実の投手陣」
寸評:一発勝負でものを言うのは、何といっても投手力。そこで全国で最高級の好素材と考えると、浮上してくるのが日本文理のエース右腕・田中晴也だ。昨秋に最速148キロを計測したストレートは発展途上で、冬場のフォーム修正で球質が向上。新潟県の高校生初のドラフト1位の可能性すら現実味を帯びてきた。