2021年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
「松本さんも好きじゃないんやな…」ゆにばーすが語るM-1漫才の“変化球”と“ストレート”論争「銀シャリさんが正統派って違和感あった」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byMiki Fukano
posted2022/04/03 17:01
結成8年で3年ぶり3度目の決勝となったゆにばーす。川瀬名人(37歳、手前)とはら(32歳)。東京吉本所属
川瀬 「センターマイクから離れすぎやろ問題」ですか。愚問だと思いますね。漫才なんて、ステージにおったらいいんですから。あれを言ったの、巨人師匠でしたっけ?
――松本さんも、最後くらいは真ん中で終わって欲しかったと話していましたね。
川瀬 完全に好き嫌いの問題でしょうけど、松本さんも離れるの嫌がるんですよ。2017年、僕らが決勝に初出場したときも、はらさんがマイクから離れたまま終わったんです。そんとき、ウッて顔してましたから。コメントでは「離れたまま終わるのが斬新でしたね」って言ってくれたんですけど、あ、好きじゃないんやなと思いました。
――センターマイク論争が起きるなど、今大会は通常、「変化球」と呼ばれるような人たちがスタンダードで、ストレートを投げる人たちが珍しいというような、不思議な大会でしたよね。
川瀬 今大会は正統派は、ゆにばーすとオズワルドくらいやんかって言われましたから。
――それは私も少し思ってしまいました……。
川瀬 そもそも「正統派漫才」って何や、って話じゃないですか。銀シャリさんが正統派漫才って言われ始めた頃から違和感があったんですけど。どう考えてもツッコミの橋本(直)さん、しゃべり過ぎじゃないですか。どこが正統派やねん、って。
――相当、テクニカルなツッコミですよね。
川瀬 だから、そういうもんなんですよ。単純に古くなると正統派って呼ばれる。モグライダーさんだって、あと3回ぐらい決勝に出たら正統派って呼ばれますよ。ランジャタイさんは……さすがに、呼ばれへんか。
<#3へ続く>
(写真=深野未季)