今後は同じ相手との“再戦”もカギになる？

　クイーンの今のテーマは、オリジナリティの確立だ。初代タイガーの歴史と動きを受け継ぎながら、いかに独自性を出すか。初コメントだけでなく専門誌にインタビューが掲載されるなど、自分の気持ちを少しずつ表現するようにもなっている。

　ニールキックというフィニッシュは唐突にも見えたが、空中殺法や投げ技に加えて打撃でも勝てるオールラウンドな選手にということかもしれない。佐山が創始した総合格闘技・修斗の理念である“打・投・極”のプロレス版ではないが、強さに“幅”を作るという意味では大事な試みだった。

ジャーマン・スープレックスを決めるも、フィニッシュには至らず

　タイガー・クイーンという選手は変化と成長の途上にある。成長の過程においては、これまで闘った相手との再戦も見てみたい。彩羽や高瀬はリベンジを狙っているようだ。

　プロレスラーが大きく羽ばたくためには、好敵手と“ストーリー”を紡いでいくことも大切だ。1回だけ闘って“勝ちっぱなし”で終わっては、女子プロレス界の豊かな人材を“消費”するだけということにもなってしまう。

　新たな対戦相手とともに、同じ相手と2度、3度と闘うことで見えてくる魅力もあるだろう。ライバルストーリーを描くことができる相手に事欠かないところも含めて、タイガー・クイーンが持っている“可能性”なのだ。

デビュー6連勝となったクイーン。今後は同じ相手との再戦にも注目

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