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「動くと眼球が落ちちゃう」大怪我から復活…“デカくて飛べる”ジェイク・リーが掲げた野望「全日本をもっと上に持っていってやる」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/03/27 11:00
3月21日、橋本真也の「爆勝宣言」などで知られる作曲家・鈴木修の演奏に乗って入場したジェイク・リー
「専務はここ最近で一番生き生きしていた。こうでなくちゃ」とリーがほくそ笑んだ。
リーはその諏訪魔にこれでもかというほど、容赦なくヒザを叩き込んだ。
コーナーに駆け寄ったリーが何をするのかと思ったら、ムーンサルトプレスだった。トップロープからではなく、2段目のロープからの踏み切りだったが、190cmを超える巨体がきれいに高く飛んだ。もしトップロープからだったら、どんなに高く飛ぶんだろうと想像してしまった。
「オレが全日本プロレスをもっと上に持っていってやるよ。デカくて、格好よくて、飛べて。そんなオレに誰が勝てるんだ。タダじゃ帰ってこねえよ」
4月の後楽園ホールでは新日本・棚橋弘至との初対決も
リーの狙いは返上した三冠王座への返り咲きだが、まずはチャンピオン・カーニバルの連続優勝だ。リーは昨年の出来事を思い出していた。
「無観客の中でのチャンピオン・カーニバル最終戦、お客さんがいない優勝決定戦は正直寂しかった。映像じゃなくて今回はお客さんの前でできると思うから、それは説得力があるかな。コロナによる諏訪魔との三冠戦延期、初の巴形式でのタイトルマッチ、そして年末の試合での怪我での欠場……。いろいろあったから、オレは図太くなった」
リーには他にも刺激的なイベントが待っている。
4月16日、後楽園ホールの60周年を記念して『後楽園ホール還暦祭 新日本プロレス+全日本プロレス』(主催:東京ドーム)が行われる。発表済のメインのカードは「SANADA、ジェイク・リーvs棚橋弘至、宮原健斗」だった。だが、SANADAが負傷してしまったことで、カードは変更を余儀なくされるだろう。
なんの因果か、SANADAもリーと同じ左眼の負傷だった。
「SANADA選手が左眼窩底骨折となった今、誰と組んでいる姿を見たい?」とリーはファンに問いかけている。タッグとはいえ、新日本の棚橋とは初対決になる。