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「あんなにいい人いないよ。ただ…」引退の危機を乗り越えたジュリアが語るスターダム王者・朱里への“ジェラシー”《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/03/25 17:04
3月26日の両国国技館で、同じDDMに所属する朱里との“同門対決”に臨むジュリア。赤いベルトをかけた決戦を前に、思いの丈を語った
ジュリアに「生きがい」を感じさせる桜井まいの存在
スターダムのレスラーの中でも、貪欲に刺激を求めるジュリアの周りには、常になんらかの話題が渦巻いているように見える。
「話題なんて、誰の周りにもたくさん転がっているんです。それをどう大きくしていくかじゃないかな。スターライト・キッドなんかすごいよな。大江戸隊に入って、まだ1年も経っていないでしょう? ここまでの存在になるとは思わなかった」
各所で“お騒がせ女”と称されることはどう感じているのか。ジュリアは自身の姿勢を示した。
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「自分でこうだと思って行動して、それが間違いだと周りに言われたとしても、何もしないよりはマシと思うんです。時には反感を買ってもいいんですよ。その分本気でやるしね。だからハングリーで、我が道を行こうとする選手を見ていると、私はニヤッとしてしまう(笑)」
スターダムのユニットのあり方についても、思うところがあるようだ。
「スターダムには今5つのユニットがあって、みんなコンセプトが違うよね。カッコいい、可愛い、明るい、クール……。どのユニットにも個性がある中で、極悪と言われる大江戸隊もある。大江戸隊もリーダーの刀羅ナツコが欠場してから変わってきたよな。ヒールなんだけど、ヒールっぽくない(笑)。なんにせよ、ユニットもいろんなタイプがあった方が面白いよね。DDMのメンバーには、カッコよくいて欲しいって思う。生き様も、何もかも。その為にも、互いに競い合って切磋琢磨して、何事にもチャレンジして、努力を続けていきたい。とはいえプロレスラーは、最後は1人。肉体も精神も、人として強くならないとね。私も頑張る」
そして、DDMの新メンバーである桜井に触れた。彼女の存在は、これまで「中途半端を繰り返して、プロレスにたどり着いた」というジュリア自身の人生を思い起こさせるという。
「後戻りできない状況の中で『何かやらなきゃいけない』ともがいている人を見ると気になりますね。コズエンを脱退して、前だけを見て真っ直ぐ進もうとする桜井を見て、それを支えたいと思うようになった。プロレスってすごいよね。人間を変える力がある。こんな面白い職業に出会えて幸せだな、と。私自身もスターダムに来て、ここで生き残るということはどういうことなのか。つまずいたり、回り道をしたり、その試行錯誤も全部が自分にとってプラスになった。
一番は、自分がどんなレスラーになりたいかという気持ちを大切にしてやりたい。桜井にプロレスを教えていく中でも新しい発見があるし、それが自分の成長に繋がる。全部が楽しいんです。いろんな仕事をやってきたけど、こんなに生きがいを感じたのは初めてかな」
ジュリアは明るく微笑んだ。
「定期的に首のメンテナンスには行ってるけど、もう全く問題ないので大丈夫です。感動するくらい良くなりました(笑)」
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