2021年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
“最年少”28歳コンビ「もも」が語る、なぜ吉本芸人がM-1で圧倒的なのか?「劇場出番が12倍になった」「紳助さんの“ラスト30秒”を意識した」
posted2022/03/20 17:00
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Shigeki Yamamoto
50歳と43歳の錦鯉――史上最年長のチャンピオンが誕生した2021年のM-1。ファイナリスト10組中5組が初登場、さらに“非吉本”が5組という異例の大会だった。出場した漫才師たちのインタビューから、あの“12月19日”の舞台ウラに迫る。
今大会の最年少コンビだったのが結成4年の「もも」。まもる。(28歳)&せめる。(28歳)が「なんでやねん!おまえ、〇〇顔やろ」とお互いを罵るスタイルが話題を呼んだ。M-1では過去17大会中で13回、吉本から王者が出ているが、大阪吉本所属の2人がその強さの裏側を語る(全3回の1回目/#2、#3へ)。
今大会の最年少コンビだったのが結成4年の「もも」。まもる。(28歳)&せめる。(28歳)が「なんでやねん!おまえ、〇〇顔やろ」とお互いを罵るスタイルが話題を呼んだ。M-1では過去17大会中で13回、吉本から王者が出ているが、大阪吉本所属の2人がその強さの裏側を語る(全3回の1回目/#2、#3へ)。
――準決勝のあと、決勝進出者の発表でももの名前があがったときは、改めて、M-1は下剋上なのだな、と思いました。大阪吉本で、経験と実績がももより上でも、まだ決勝までたどり着けていない組はたくさんいますもんね。
せめる。 そうですね。
まもる。 ありがたいことに。
――決勝が決まった翌日ぐらいからNGK(なんばグランド花月)の舞台に立っていませんでしたか。
まもる。 次の日は休みやったんで、その次の日からですね。
せめる。 準決勝進出が決まったあとも1回入れてもらったんです。
劇場の出番が月72回、12倍になった
――NGKの、いわゆる本公演の舞台は初めてだったんですよね。
まもる。 初です。
――ロングコートダディもすぐNGKの出番をもらっていました。大阪吉本の芸人はファイナリストになると、ああやってすぐにNGKの本公演に優先的に入れてもらえるんですか。
せめる。 そうです。僕らも初めての経験だったので、びっくりしましたけど。それまで舞台の出番は、月6回だけやったんです。なのに、決勝進出が決まった12月はひと月で72回も(舞台に)立たせてもらいました。それまでの1年分の出番ですよ。
――劇場をたくさん持っている事務所の強みですね。
せめる。 そりゃ、毎年のように吉本の芸人さんが優勝するわと思いましたね。こんだけ仕上げる機会を用意してくれるわけやから。その分、プレッシャーも感じましたけど。
島田紳助さんを意識「大事なのはラスト30秒」
――NGKは客数が多い(858席)だけじゃなく、その客層も公演ごとに違ったりして、慣れないと、すごく難しいと聞きますが。