濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
“女優による団体”アクトレスガールズが方向転換、選手たちのその後は…? ユニット旗揚げのSAKI「プロレスラーとしての決意表明」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2022/02/26 11:02
COLOR'S旗揚げ興行のメインに出場した元アクトレスガールズのSAKI
旗揚げ大会でSAKIがやりたかった“再会”
年が明け、「Girl's Prowrestling Unit! COLOR'S」としての活動を開始。メンバーはSAKI、清水ひかり、櫻井裕子、網倉理奈の4人だ。2.12旗揚げ大会は網倉が欠場。しかし関口などフリーのアクトレスガールズ卒業生も含め、賑やかな再出発になった。櫻井はマーベラスの主軸である門倉凛とシングルマッチ。
メインではSAKI&清水が堀田祐美子&川畑梨瑚と対戦した。川畑はアクトレスガールズでデビュー後、フリーとなった選手。大ベテランの堀田は、以前アクトレスガールズでプレイングマネジャーを務めていたことがある。新たな出発となる大会で、SAKIがやりたかったことの一つがこの“再会”だった。団体が解散したり選手が独立しても「同じプロレス界にいれば、いつかまた会える」とよく言われる。プロレス界に“残った”SAKIたちは、それを自ら体現したのだった。
チケット完売の会場。SAKIが川畑を得意技カワイルド・ニードロップで仕留め試合は終わったが、大会は終わらなかった。川畑が、SAKIの持つCOLOR'S王座に挑戦表明。そこに関口が割って入り、川畑vs.関口の挑戦者決定戦が行なわれることになった。舞台は4月22日の第2回大会。プロレス特有の“連続ドラマ性”がそこにはあった。川畑、堀田との再会もそうだが続けること、続いていくことでいろいろなものが生まれる。それがプロレスだ。
“女優レスラー”たちがリングに見つけた意味
「前にSAKIさんに“ついていくので置いてかないでください”って言ったんです。でもついていくだけじゃなくて隣に立ちたい」
インタビュースペースで泣いたのは櫻井だった。その言葉があったから、SAKIはユニットを作った。SAKIは言う。
「今日の大会は、私たちはプロレスラーとしてやっていけますという決意表明の大会でした」
旧体制のColor's解散が決まった時に「何年やっても変わらんやろ」と言われたとSAKI。でも選手たちは変わった、成長していたと彼女は感じている。これからも成長を見せていくし「ここに残らなかったメンバーをギャフンと言わせたい。(来たかったら)ウェルカムですけどね(笑)」。
アクトレスガールズによって、何人もの若者がプロレスを見つけ、プロレスファンに見つけられた。「芸能人のプロレスなんて」と言われても、“女優レスラー”たちはリングに人生をかけるだけの意味を見出したのだ。
大会エンディング、“締め”のフレーズは興行名と同じ「YES, MY WAY!」。これはまぎれもなく、自分たちで選んだ道なのでとSAKIは言った。芸能の世界からプロレスに来て、団体の動きに翻弄され悩まされて、それでも自分で選んだのがプロレスだった。
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