濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER

なつぽいが目指す「スターダムの絶対的ヒロイン」 上谷沙弥との王座戦は“新”ライバルストーリーへ…復帰のKAIRIとの関係は?

posted2022/02/27 11:02

 
なつぽいが目指す「スターダムの絶対的ヒロイン」 上谷沙弥との王座戦は“新”ライバルストーリーへ…復帰のKAIRIとの関係は?<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

2月23日、ワンダー・オブ・スターダム王座をかけて対戦したなつぽい(挑戦者)とチャンピオン上谷沙弥

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

PROFILE

photograph by

Norihiro Hashimoto

 2月のスターダムは“なつぽいフィーバー月間”になった(と、本人も言っていた)。

 舞台出演による欠場からリングに復帰した2月1日、後楽園ホールでハイスピード王座に挑戦。スターライト・キッドと30分フルタイムドローでベルト奪還はならなかったが、展開の速い攻防で観客を沸かせた。この日は、企画から携わった写真集も発売されている。

 12月、1月は数回しか試合ができず「復帰一発目が一番怖かった」が、そこで30分闘い切ったのは収穫でもあった。ここから21日の後楽園でアーティスト・オブ・スターダム王座(6人タッグ)の防衛戦があり、自らアピールしてアオーレ長岡大会(23日)でのワンダー・オブ・スターダム王座挑戦も決まった。1カ月に3回のタイトルマッチは「たぶん初めてだと思います。試練でもチャンスでもありますね」となつぽい。

「プロレス界の外からファンを連れてくるような存在に」

 舞台に出演することで「自分の役割」への思いを強くした。もともとタレント活動をしており、演劇の経験もあるが、プロレスに専念するためスターダムに入団。今回はそこでの輝きを認められての出演となった。“プロレスに挑戦する役者”ではなく、“演技経験のあるプロレスラー”だから来た仕事だ。

 出演した『アサルトリリィ』はマンガ、アニメ、ゲームなど多ジャンルで展開するメディアミックス作品。なつぽいの演技とキレのいい殺陣は、作品の熱心なファンからも好評だった。ネットで見た「あの子、プロレスラーなの?」という声も嬉しかったそうだ。

「スターダムには魅力的な選手がたくさんいますけど、その中で私はプロレス界の外からファンを連れてくるような存在になりたいですね。そういう役割を任されたいです(笑)」

 貴重な経験をしてプロレスに戻ると、自然と笑っていることが多くなった。アクトレスガールズ1期生としてデビューし、そこから東京女子プロレス、そしてスターダムへ。アクトレスガールズを離れてからは「自分は外から来た選手」という意識が強かった。だが舞台出演を経て戻ってくると「私の“ホーム”はスターダムなんだ」と実感することができたそうだ。

「リング上はもちろんですけどSNSでもバチバチやり合ったり。私はそういうのがホントに好きなんだなぁって。落ち着くというか、素でいられますね。舞台に出てた時期も楽しかったし、穏やかで平和でしたけど(笑)」

「関係性は“無”」だった上谷戦へのなつぽいの思い

 6人タッグ王座は自身が3カウントを奪い防衛。23日のワンダー王座戦、上谷沙弥への挑戦は、キャリアにおける新たな局面だった。

【次ページ】 上谷vsなつぽいは必殺技の応酬に

1 2 3 4 NEXT
#スターダム
#上谷沙弥
#なつぽい

プロレスの前後の記事

ページトップ