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全治6カ月の大ケガから復帰初戦で痛恨のパスミス…それでもマリノス畠中槙之輔26歳が「また同じシーンになったら同じところを狙う」と語る理由 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byJ.LEAGUE

posted2022/02/26 17:00

全治6カ月の大ケガから復帰初戦で痛恨のパスミス…それでもマリノス畠中槙之輔26歳が「また同じシーンになったら同じところを狙う」と語る理由<Number Web> photograph by J.LEAGUE

全治6カ月のハムストリングの大ケガを克服し、今年の開幕戦に出場した横浜F・マリノスの畠中

「左ハムストリング付着部損傷」で全治6カ月と診断された

 大ケガに見舞われたのは昨年8月28日、ホームでの鹿島アントラーズ戦。背後に送られたスルーパスに反応してスピードを高めたその瞬間、今まで経験したことのない激痛が走った。途中交代を余儀なくされ、MRI検査の結果「左ハムストリング付着部損傷」で全治6カ月と診断された。

 初めての大ケガ、初めての手術だった。家族の支えやチームメイトからの励ましもあって、強い気持ちでリハビリを続けることができた。12月4日の最終節に何とか間に合わせたいという思いもあった。

 とはいえ無理は禁物。当初の予定どおり、2022年シーズンの開幕戦をターゲットにコンディションをつくってきた。全体練習前後はケガした箇所の補強トレーニングとケアに費やした。自宅に戻っても微弱電流治療器でのケアを日課としている。

 開幕戦のウォーミングアップで日産スタジアムのピッチに立った際、バックスタンドに「進め!畠中槙之輔」と書かれたひと際目立つ横断幕が目に飛び込んできた。

痛恨のミスを犯してしまう

「アップが終わってロッカーに引き上げる際に、サポーターのみなさんに“お帰りなさい”みたいに拍手で出迎えていただいて凄くうれしかった。この日産スタジアムは僕にとってやっぱり特別な場所なんだなって感じました」

 セレッソ大阪との開幕戦は2-2で引き分けた。守備時のセットプレーの脆弱さは相変わらずだが、スムーズなビルドアップとスピードに乗った攻撃はセレッソを圧倒したほど。先制されても2点を奪って逆にリードできたのも頷けた。

 だが痛恨のミスを犯してしまう。

 アディショナルタイムに入る前だった。GKから受けたボールを岩田に届けようとしたパスを清武弘嗣にカットされ、そこから相手にCKを与えて結局は同点にされてしまった。

 パスミスの場面を尋ねると、悔しそうな表情を不意に浮かべる。

【次ページ】 「また同じシーンになったら同じところを狙ってパスを出す」

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畠中槙之輔
横浜F・マリノス

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