2021年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
“M-1最下位”ランジャタイは、なぜ「芸人の墓場と呼ばれた事務所」SMAをやめたのか?「当時はM-1の1回戦で3回ほど落ちた年もありました」
posted2022/02/20 17:02
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Hirofumi Kamaya
50歳と43歳の錦鯉――史上最年長のチャンピオンが誕生した2021年のM-1。ファイナリスト10組中5組が初登場、さらに“非吉本”が5組という異例の大会だった。出場した漫才師たちのインタビューから、あの“12月19日”の舞台ウラに迫る。
ときに「天才芸人」とも呼ばれ、大会前から大きな注目を集めたランジャタイ。現在はサンドウィッチマンらと同じグレープカンパニーに所属する彼らは、かつて錦鯉と同じSMAにいた。なぜ「芸人の墓場」とも呼ばれた事務所をやめることになったのだろうか? (全3回の3回目/#1、#2へ)
「芸人の墓場へようこそ」
――お2人は、さまざまな事務所を渡り歩いています。その最初が、09年に所属した「最後にたどり着く場所」とも「野良犬のたまり場」とも表現されるSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)だったんですよね。
伊藤 入るなり、「芸人の墓場へようこそ」って言われたのを覚えています。誰に言われたかは忘れちゃったけど。覚えてる?
国崎 言われたね。僕らは最後に行き着くはずのところに最初に入っちゃった。芸風とかは、それがでかかったかもしれないですね。
――その頃、もう錦鯉とかはいたわけですか。
国崎 たぶん、まだ、錦鯉は結成してないと思います(※12年結成)。その前のコンビ時代じゃないかな。
――錦鯉が優勝したとき、お2人はとても嬉しそうでしたね。
国崎 メチャクチャうれしかったですね。その頃からお世話になっているので。
伊藤 僕の目にはですけど、一時期、(渡辺)隆さんが(長谷川)雅紀さんの頭を叩くたびに、雅紀さんの頭が光って見えてました。
国崎 ほんと、光ってましたよ。2016年かそこらかな、キレキレのときがあって。そのとき、もう、みんな言ってたんですよ。M-1の決勝行くんじゃない?って。そのキレは今も失われていないですけど。
M-1の1回戦で3回ぐらい落ちた年も…
――ランジャタイは07年にコンビを結成されていますが、M-1が中断期間に入る前、2010年までは、ほとんど1、2回戦で負けているんですよね。