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大逆転負けから4年、平野歩夢が実行した“採点競技の勝ち方”…ショーン・ホワイトと「同じようなフィニッシュ後の表現はできない」 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byNaoya Sanuki/JMPA

posted2022/02/10 17:03

大逆転負けから4年、平野歩夢が実行した“採点競技の勝ち方”…ショーン・ホワイトと「同じようなフィニッシュ後の表現はできない」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki/JMPA

北京五輪、2月9日の予選を1位通過した平野歩夢

 試合から一夜明けて行われた会見ではその感情がより強くなった様子で、「目の前に金メダルの可能性がある中、銀メダルに終わってしまった。素直に受け入れる部分と悔しい部分が残っている」と率直な感情を口にした。派手なパフォーマンスでも会場を沸かせたホワイトについて聞かれると、「自分は“滑り一つで周りを黙らせる”滑りだけにこだわっている。観客を引き寄せることは、自分は苦手なのか、同じようなフィニッシュ後の表現はできない。滑り1本でみんなを認めさせることだけを目指すのは、これからも変わらず続けたい」と静かな口調で言った。

 その会見で平野が併せて語っていたのが「会場の雰囲気や、滑走順も関係していると思う」ということだった。採点競技では最終滑走者が有利になる。今回の予選で順位にこだわったのはそのような背景があるからだ。予選1位を獲りにいき、獲ったのである。

史上最高の対決、再び

 平昌五輪の悔しさから4年が過ぎた。この間、平野は東京五輪のスケートボードに出場し、二刀流の挑戦を経て白銀の世界に戻ってきた。23歳にして五輪出場は実に4度目。実力はもちろん、華やかさや勝負強さなど、幅広い能力を身につけている選りすぐりのトップアスリートに成長している。東京五輪の1年延期によってスケートボードからスノーボードに移るまでの時間が短くなったため、北京五輪シーズンが始まる前は「今の段階での自分を見せられることが楽しみ」と語るにとどめていたが、いざシーズンが始まるとワールドカップ連勝という圧巻の成績を収め、周囲を唖然とさせた。

 予選の2本目に組み込んだ連続トリックに関し、平昌五輪でメダルを争った時の勝負ルーティンだったことを指摘されると「そうです、そうです」と頷いて、「前回よりも、みんながみんなレベルアップしている」と言った。

 今大会を最後に五輪の舞台から退くことを公言しているホワイトは、予選1本目にミス。慎重に滑った2本目で86.25点を出して4位で決勝に進んでいる。決勝は2日後の2月11日。史上最もハイレベルな「狂想曲」が始まった。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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