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「今季限りで退任」阪神・矢野監督の“衝撃発言”に、藤浪晋太郎や佐藤輝明らが戸惑わなかった理由「選手たちはもう自立している」

posted2022/02/09 11:25

 
「今季限りで退任」阪神・矢野監督の“衝撃発言”に、藤浪晋太郎や佐藤輝明らが戸惑わなかった理由「選手たちはもう自立している」<Number Web> photograph by KYODO

プロ野球界の“正月”に今季限りでの退任を発表した阪神・矢野燿大監督

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豊島和男

豊島和男Kazuo Toyoshima

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 衝撃発言から1週間以上が経過した今もなお、その波紋は広がりを見せている。

 2月1日に12球団が一斉にキャンプイン。待ちに待った球春到来だった。プロ野球界の「正月」を翌日に控えた1月31日。阪神の矢野燿大監督が今季限りで退任する決断を電撃発表した。

 関西ローカルの一部テレビ局は番組中にテロップを流してニュース速報として伝えた。同時に新聞社、通信社などもネットメディアによる速報記事を発信。その情報は一瞬にして国内外に広まった。人気球団を率いる監督の退任報道に世間の注目が集まった。

「今シーズンをもって監督は退任。それを選手たちに伝えたかった。『来年は監督という立場でここに来ていることはない』という気持ちを持って、自分も挑戦していきたい。俺自身、退路を決めた中で、『今日が最後』という気持ちであいさつさせてもらった」

SNSで飛び交う賛否の声

 予告のない衝撃告白はチームがキャンプ地の沖縄に入った直後だった。選手、スタッフ、球団関係者らが集まった恒例の全体ミーティングで現場トップが胸中を吐露。「さあ!明日から始まるぞ」。誰もが気を引き締め、決意を新たにする球界の“恒例行事”の場で退路を断つことを公表。キャンプイン前日の退任表明は、まさに前代未聞の出来事だった。

 SNSでも拡散された情報に、ネット上では瞬時に賛否の意見が乱れ飛んだ。1月31日の夜には球界OBたちも即座に反応。ネット上では次期監督に名乗り出る者もいた。また、人気球団の監督人事について元球団社長までもが言及。今シーズンの順位予想よりも先に次期監督予想が展開される事態となった。

 当然ながら矢野燿大監督は波紋を呼ぶことは想定していた。事前に球団の百北幸司球団社長には全体ミーティングで事実を公表することを伝えていた。球団社長も了承した上での発言。そのことも衝動的な言動ではなかったことを物語っている。では、なぜこのタイミングで退任を発表したのだろうか。本当の意図は本人の心の中にしかない。しかし、矢野燿大を知る人々にとっては決して驚くことでもなかった。

【次ページ】 「長くやりたいとは思っていない」

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