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西武・中村剛也38歳に質問「昔より投手のレベル上がった?」…21年目は“ホームラン特化型”、その真意とは
text by
菊地高弘Takahiro Kikuchi
photograph bySankei Shimbun
posted2022/02/08 11:00
22年シーズンを前に“ホームランアーチスト”中村剛也(西武)にインタビュー
「もちろん、ライオンズという球団に愛着はあります。それに僕、人見知りなんで。違う環境となると、知らない人との関係を作るのが面倒くさいし、あんまりイメージがつかなかったですね」
同じ球団に残り続けた理由が「人見知り」というのも、中村らしくて笑いが込み上げてしまった。西武でプレーし続けるなかで、見えてきたものはあるかと聞くと、中村は「どうですかねぇ」と考え込んで、こう答えた。
「とくにないかな。見えてきたものといっても、いろんなチームでプレーしてるわけではないからわからないし」
来季40歳。「若い時のほうが頑固だった」
8月15日には39歳を迎える中村はオフに西武と2年契約を結んだ。つまり、不惑となる40歳まで西武でプレーすることがほぼ確定している。
40歳と言っても、ただの数字でしかない。だが、20代の頃のようには体の自由が効かなくなり、何かと冒険できなくなる時期なのかもしれない。30代後半に入って心境の変化があるかを尋ねると、中村は珍しく多弁になった。
「野球に関しては、逆にいろんなことに挑戦できるようになってきましたね。若い時のほうが頑固だったですよ。今はいろんなことを取り入れようとしていますし、いろんな選手のバッティングを研究して『ここがいいんだな』と考えるようになりました。それまでは『自分は自分』と人のことは気にしなかったんですけど、今のほうが周りを見るようになったと思いますね」
「30本以上打ちたいと言ってるんですけど、本当は…」
年を追うごとに視界が開けていく実感がある。だからこそ中村は、これまで442本ものホームランを積み重ねてきた。そして、2022年のシーズンを迎えるにあたって、「もう1回、ホームランを打てるようにやっていきたい」と思いを新たにしている。
「打つポイントとバットの出てくる角度。ボールのどこを打つかを考えてやろうかなと。30本以上打ちたいとメディアでは言ってるんですけど、本当は40本打ちたいと思っています。ホームラン特化型のシーズンにしたいですね」
数々の引退の危機を乗り越え、ホームランキングは21年目のシーズンに自身のアイデンティティーを取り戻そうとしている。