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“キャンプ直前”なのにロックアウトが終わらない…「何もない」鈴木誠也(27)が受け継ぐ野茂&松井の“超一流のメンタリティー”とは
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2022/02/08 06:00
メジャー挑戦を表明している鈴木誠也だが、長引くロックアウトの影響から、移籍先は未定のままだ
ロックアウトはいつ終わる?
話を戻そう。いつかは終わるロックアウトではあるが、それは一体いつのことになるのだろうか。
チーム総年俸や年俸調停権の取得期間短縮など問題は山積みだ。オーナー側と選手会側の言い分には大きな隔たりがあり、スプリングトレーニングの延期を危惧する声が圧倒的だ。加えて公式戦の通常開催を心配する声もでてきている。
歴史を振り返れば、MLBではロックアウトやストライキは繰り返されてきた。権利を主張しあう文化を持つお国柄であるが故に闘争はいとわない。ストライキは過去に8回を数え、ロックアウトは72年にも90年にもあった。
仮に今回、公式戦に影響のでるような事態に陥れば、MLBはファンの支持を完全に失うだろう。オーナー側も選手会側もそんなことは百も承知と信じたい。
また、ビジネスライクでベースボールや選手や関係者へのリスペクトが足りないと批判されるロブ・マンフレッドコミッショナーにも期待したいことはある。ロックアウト前に発した彼自身の言葉だ。
「ロックアウトはシーズンへのダメージを避けるために行うことだ」
現状では急転直下のスプリングトレーニングの通常開催は厳しいだろう。仮に通常で6週間が用意されている春のトレーニングが3、4週間に短縮された場合、双方にはデメリットしかない。選手会幹部を務めるレッドソックスの41歳左腕リッチ・ヒルは言った。
「キャンプインが遅れれば、準備不足からケガ人が増える可能性がある」