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「羽生選手と清塚さんの呼吸が一体化している」羽生結弦27歳、“94年ぶりの”五輪3連覇なるか? あの名ピアニストに依頼したプログラム 

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photograph byAsami Enomoto

posted2022/02/04 17:06

「羽生選手と清塚さんの呼吸が一体化している」羽生結弦27歳、“94年ぶりの”五輪3連覇なるか? あの名ピアニストに依頼したプログラム<Number Web> photograph by Asami Enomoto

フリー『天と地と』。演技冒頭に前人未到の大技、4回転アクセルを跳ぶ

 全日本選手権で初披露となったこのショートプログラムは、まさに五輪シーズンのための「特別なプログラム」と言ってよいものだ。

 本来はヴァイオリンで演奏されることが主流のこの楽曲を、羽生はアイスショーでの共演などで交流のあるピアニスト・清塚信也氏に演奏と編曲を依頼した。演奏する清塚氏と演技する羽生、2人のやりとりによって、このオリジナルバージョンの「序奏とロンド・カプリチオーソ』は完成している。

 矢野氏は、2人が目指した方向性が一つになったのを全日本選手権の演技を見て感じたという。

「羽生選手と清塚さんが、それぞれの解釈を持ったうえで、歩み寄ってこの作品を完成させています。全日本選手権での演技では、羽生選手と清塚さんの呼吸が一体化しているのを感じました」

ジャッジ9名中8名が、満点の10点をつけた

 また本田氏は、4回転アクセル習得のための練習がこのショートプログラムの意外なところにもいい影響を与えていると話す。

「最後のステップシークエンスでは、4回転アクセルの練習をしてきた効果を感じました。アクセルの練習を通して、高さを出したり遠心力に耐えたりすることで、腰から下の部分の筋力がつき、スケーティングが安定しました。これだけ激しいステップで、左右の切り返しを繰り返しても、身体が振られずに滑りきれるのは、下半身の強化のたまものでしょう」

 ショートの演技最後の、音の一つ一つに合わせるようなこのステップは、技術とともに芸術性も争うフィギュアスケートの醍醐味を表すようなものとも言えるだろう。全日本選手権ではジャッジ9名中8名が、演技構成点の「音楽の解釈」で満点の10点をつけている。

 人類初の4回転アクセル成功と、特別な楽曲での自分にしかできない芸術表現。その2つの挑戦の先に、3連覇という偉業の達成が待っている。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

Number1045号ではそのほかに、羽生選手と縁の深い狂言師・野村萬斎氏からの北京五輪へのエールや、宇野昌磨、鍵山優真、髙木美帆、小平奈緒、小林陵侑、髙梨沙羅、平野歩夢ら注目選手たちの今大会までの物語、元メダリストによる解説記事などを多数掲載。17日間の見どころを松岡修造さんの応援解説とともに紹介した、16ページの「北京五輪TVガイド」も収録。ぜひご覧ください。

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