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無名の高校生が“箱根駅伝の名物ランナー”に…帝京エース・遠藤大地が明かす本音「もっと突き抜けたかった。もっと強い選手になりたかった」 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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photograph byYuki Suenaga

posted2022/01/27 11:04

無名の高校生が“箱根駅伝の名物ランナー”に…帝京エース・遠藤大地が明かす本音「もっと突き抜けたかった。もっと強い選手になりたかった」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

4連続で箱根駅伝3区を走り抜けた帝京大・遠藤大地。全国的には無名だった遠藤が“記憶に残る箱根ランナー”になるまでを振り返る

「初めてトラックで10000mを走った時に、当時の帝京ではちょっと上のほうのタイムで走れたんです。今だったらあまり速くないタイムなんですが……。それで勢いを付けることができて、うまくはまっていったのかなと思います」

 順調な出だしだった。

入学3か月で圧勝…帝京大に突如現れた“スーパールーキー”へ

 遠藤の名が一躍知られることになったのは、大学1年時の全日本大学駅伝関東選考会だろう。全4組2人ずつ各校の代表選手が10000mを走り、8人の合計タイムで争うのがこの選考会。遠藤はその先陣を切る第1組を任された。

「頼り甲斐のある先輩がたくさんいたので、“自分は思い切りやるだけ”っていう気持ちでいられたことが、すごく大きかったと思います」

 大学に入学して3カ月足らずにもかかわらず、2位に14秒もの大差を付ける圧勝で組1着を勝ち取った。これで「大学でもやっていける、戦っていける」という手応えをも得た。記録の面でも、11月に10000mで28分34秒88の好記録をマーク。この記録は、この年のルーキーの最速タイムだった。

 帝京大に突如現れたスーパールーキーは駅伝でも大活躍を見せる。デビュー戦の出雲駅伝こそ1区11位止まりだったが、全日本は主力級が集う4区で区間3位と健闘した。

 そして、箱根駅伝では3区で圧巻のレースを見せる。チームは2区を終えて14位と出遅れたが、遠藤は8人を抜いて6位まで押し上げた。区間3位と上々の箱根デビューを飾り、充実のルーキーイヤーを締めくくった。

 しかし、遠藤は、これほどの活躍を見せながらも、胸がすく思いにはなかなかなれずにいた。

「自分の実力以上に評価されてしまった」

「1年目に、自分の実力以上に評価されてしまったなと感じていました。だから、“本当はそんなにすごくはない”“できるだけ謙虚に”と常に思いながら、4年間を過ごしてきました。

 1年目がある程度順調にいっただけに、2年目、3年目、4年目と、もっと突き抜けたかった。もっと強い選手になりたかった。1年目の結果を3年後に振り返ってみると、大して成長できなかったんじゃないか。今振り返ってみると、そんな思いがあります」

【次ページ】 中野監督が“4年連続の3区起用”にこだわったワケ

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