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久保建英“オレが蹴る”FK弾→手荒い祝福に「い、痛いんですけど」 カメラマンが至近距離でとらえた一撃と、ファンから“感謝の大拍手” 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2022/01/19 11:00

久保建英“オレが蹴る”FK弾→手荒い祝福に「い、痛いんですけど」 カメラマンが至近距離でとらえた一撃と、ファンから“感謝の大拍手”<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

2022年初ゴールは直接FKからの一撃。久保建英の調子は上がってきている

 時間がたつにつれ、拮抗した展開から徐々にマジョルカのゴールチャンスが増えてきました。アブダンのヘディングシュートの直後には、久保が舌を出して残念がる様子も。

 この日、久保の後方を務めたのは、普段なら逆サイドバックのポジションにつくハウメ・コスタでした。久保の動きに合わせオーバーラップするなどの連携が見られ、久保がDFにかけるプレッシャーの位置も、相手陣内深くになってきているのを撮影しながら感じられました。

ゴール後、もみくちゃにされ「痛いんですけど」

 そして30分を過ぎたところでアマトがペナルティーエリア近くでファールを受けると、すぐさま久保が、相手DFからボールを奪い“このFKは俺が蹴るんだ”という意思表示を見せました。

 絶好のキックポジションだけに、サルバ・セビージャなども集まってきましたが、ボールを抱えたままの久保がそのままボールをセット。左足で一閃されたボールは、GKの手をかすめてネットに突き刺さりました。

 ……と書きましたが、カメラマン目線では久保にフォーカスしていたため、ボールの軌道は見ておらず、ボールを蹴った久保が一拍を置いて走り出したことで、ゴールが生まれたと察知しました。

 久保のゴールなのか、アシストなのかもこの撮影時点では分かっていませんが、久保自身の喜び方や、味方からの祝福のされ方から久保のゴールを確信しました。

 久保は背中にある自身の名を誇示するように喜びを爆発させると、走り寄ってきた仲間がもみくちゃに。その表情からは「痛いんですけど」という気持ちが伝わるほどの手荒い祝福でした。

 その後、自身のポジションに戻っていく久保に投げかけられるルイス・ガルシア監督の笑みが印象的でした。

久保にユニホームをねだる少年ファンも

 後半に入っても、久保は右サイドで起点となります。また前半も含め、CKのキッカーも務めます。

 そんな久保にユニホームをねだる少年ファンや、晴れた土曜日の昼下がりということもあり、子供連れのマジョルカファンの姿も多く見られました。

 この試合で先発したサルバ・セビージャ、久保、ガラレッタがワンタッチでボールを回すなどコンビネーションが良かったです。特にガラレッタは守備面でも体を張った強度のある守備で、中盤を制していました。

 またワントップに入ったアブダンも、特別なことを期待できるプレイヤーではないですが、忠実に体を張ってボールを収める、ファーストディフェンダーとして走るなど、目をみはるプレーでした。

 そして60分には、サルバ・セビージャのCKから決勝点となるゴールを決めました。ゴールを喜び大きく飛び上がるアブダンの写真の左隅に小さく映る、久保とサルバ・セビージャの姿にもぜひ注目してください。

【次ページ】 久保に送られたスタンディングオベーション

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