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久保建英“オレが蹴る”FK弾→手荒い祝福に「い、痛いんですけど」 カメラマンが至近距離でとらえた一撃と、ファンから“感謝の大拍手”
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/01/19 11:00
2022年初ゴールは直接FKからの一撃。久保建英の調子は上がってきている
ピッチを去る久保には大きな歓声が
得点直後、2点差に気を緩めてしまったのか、まだ30分ほど大きく時間を残した状態で失点してしまったマジョルカ。監督が檄を飛ばし、イ・ガンインなどを投入してテコ入れをします。久保はイ・ガンインとの交代で82分にピッチを後にします。ピッチを去る久保には大きな歓声と拍手が送られました。
ベンチに戻り、仲間に労われる久保、試合終了に向かって、ピッチを食い入るように見つめていました。
2-1でなんとか勝ち抜けを決めたマジョルカ、試合後のピッチでは、久保がかつての恩師ビセンテ・モレノのもとへ挨拶に向かいました。また、イ・ガンインともハイタッチで勝利を喜びあう様子も。この勝利でマジョルカは10年ぶりの国王杯ベスト8へと勝ち上がりました。
久保個人を見てみても前節のリーガ、レバンテ戦と比べてゴールだけでなく、ゲームの組み立てでもチームの勝利に貢献していた印象です。
次節は代表ウィークを前に、昨シーズンのスタートを切ったビジャレアルとの一戦になります。
タクシーでも「KUBO,KUBO,KUBO」
試合前、スタジアムまでのタクシーの中で行き先を告げたときのこと。
「これから試合があるの?」「そうだよ、日本人選手がいるの知らない?」
「名前はなんだったかな、あんまりサッカーは知らないんだよ、お前じゃないよな(笑)?」
その後、「国王杯でエスパニョールだよ」と伝えると、
「あー新聞に載っていたな、あの監督は昔マジョルカにいたんだろ」というように会話が続きました。
スペインでもサッカーに興味がないという人にはたくさん出会うのですが、それでも結構サッカー情報を知ってて驚かされることがあります。
日本では、サッカーに興味ないという人は、本当に何も知らないということも多いですが、この辺りにも、「サッカーが文化になる」とはこういうことかと感じさせられます。
興味がなくとも、知らず知らずにニュースや新聞などから刷り込まれてしまうほど、サッカーの情報に溢れているんです。どちらが良いとか悪いとかではなく、スペインではそうなんだなと。
帰りのタクシーでは、さっきまでスタジアムにいたという運転手が「KUBO,KUBO,KUBO」とゴールシーンを解説するラジオを聴きながら空港まで送ってくれました。