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國學院大の2大ルーキーが意識する“青学大の1年生”とは?「高校3年間ずっと戦ってきた」「“してやられた”って思いましたね」 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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photograph byYuki Suenaga/Nanae Suzuki

posted2022/01/18 11:03

國學院大の2大ルーキーが意識する“青学大の1年生”とは?「高校3年間ずっと戦ってきた」「“してやられた”って思いましたね」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga/Nanae Suzuki

箱根駅伝の連続シード権獲得をチーム最長となる4年に伸ばした国学院大。特に活躍したのは1年生のルーキー2人、山本歩夢と平林清澄だった

「プレッシャーがかかっていたのか、ちょっと調子を落としていたんです。そこに、大翔の調子が上がってきていたので、4区と9区を入れ替えました」(前田監督)

 往路の心づもりをしてきたなかで、単独走を取り入れるなど復路に対応する練習にシフトすることになった。

 それでも、平林が自身の役割を見失うことはなかった。充実した1年の集大成として、箱根駅伝でも「攻めの走りをしよう」と決めていた。

「前とは40秒ぐらい差があり、単独走になりましたが、しっかりリズムを刻んでいけば、追いつけるだろうなと思いました。前半はけっこうツッコミ気味だったんですけど、良い形で走れたと思います」

 1年生ながら区間2位の力走。従来の区間記録にあと6秒と迫った。

「ラスト3kmをしっかりまとめられていれば区間新だったんですけど、そこで失速してしまったのは実力不足と今後の課題ですね」

 平林は反省を口にするが、あわやシード落ちの危機を救ってみせた。

 主将の木付の不調、右脚ハムストリングを痛めた島崎慎愛(4年)の欠場と、直前にアクシデントがあったなか、2人のルーキーの好走には光るものがあった。

國學院大1年生が「絶対に負けたくない」ライバルとは?

 今回の箱根では、圧勝した青山学院大もまた1年生の活躍が目立った。

 3区では太田蒼生が区間2位の快走で、先頭を奪う殊勲を挙げている。太田の活躍のインパクトが大きかっただけに、同じ区間を走った山本は、その陰に隠れてしまったのも否めない。ルーキーとして十分過ぎる活躍にも、山本は素直に喜べずにいた。

「太田とは、同じ福岡県で高校3年間ずっと戦ってきた。その太田に結構な差を付けられて負けたのがすごく悔しかったです」

 箱根デビュー戦でたまたま太田と同じ区間を走ったが、山本にとっては絶対に負けたくない相手だったのだ。

「有言実行の優勝。“してやられた”って思いましたね」

 平林にとっても、青山学院大には因縁のライバルがいる。福井県内で競ってきた田中悠登だ。

【次ページ】 「有言実行の優勝。“してやられた”って思いましたね」

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