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「箱根駅伝→世界で戦うにはどんな練習が必要?」駒大“最強ランナー”田澤廉21歳に“現役引退”大迫傑30歳が初対面でアドバイスした中身
posted2022/01/02 17:45
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph by
Asami Enomoto
ここでは、往路のゲスト解説を務めた大迫傑さんと田澤選手が今回の箱根駅伝前に行っていた対談記事を再公開します。<初公開:2021年12月16日、データや肩書などすべて当時>
「田澤君が『モヤモヤしている』って何回か言ってたじゃないですか? それって凄く大切だなって。陸上選手として、モヤモヤを感じるのもひとつのセンスなんです」
約70分の対談の最後に、大迫傑(30歳)はこんなことを語り始めた。
「(練習内容や出場するレースの位置づけを)監督や周囲に決められ、それをすべて受け入れるのか、自分が本当にやりたいこととの矛盾、つまりモヤモヤの原因を探っていくのか。それを感覚的に探れる選手って、当たり前のようで、あんまりいないんですよ」
発売中のNumber「箱根駅伝 エースにつなげ!」の巻頭では、東京五輪で現役を引退した大迫と、駒澤大学の絶対エースである田澤廉(3年・21歳)の対談を掲載している。
2人は初対面。大迫に最初に挨拶をする時、田澤はどうにもソワソワして、笑顔をつくろうにも顔がこわばってしまう。それを大迫はヘアメイクのセットを受けながらも「よろしくお願いします」と真摯に、余裕を持って受け止めていた。
大迫の控室を出た後、物怖じしないタイプであるはずの駒大キャプテンに、そんなに緊張するのは珍しいんじゃないですか?と尋ねると、「大迫さんは日本のトップで、メディアで見て、ずっと憧れてきましたから」という答えが返ってきた。
学生長距離界のトップランナーの振舞いに、理解していたつもりだったが、改めて「大迫傑」というランナーの存在感と影響力を認識させられた。
田澤の格好を見て大迫も「いいじゃん」
だが、撮影や対談になると雰囲気は和んでいく。
当初、大迫は私服、田澤はジャージで撮影をする予定だったが、田澤の私服が予想以上におしゃれだったために(失礼しました)、2人とも洋服で撮影することになった。
田澤の格好を見た大迫も「いいじゃん」と一言。田澤は「1年前ぐらいから、こういう服もいいかなって思い始めて。それで買うようになりました」と照れくさそうに教えてくれた。
対談の内容は、以下の項目を含めて多岐に渡った。
●大迫が箱根駅伝を自分の中で「完結」させたのはいつなのか?
●田澤が本当は「やってみたい」という陸上選手としての挑戦は?
●大迫が「将来のアドバンテージになる」と評した、田澤の来季のトレーニング計画とは?
そして今回の対談の鍵になった言葉が、冒頭に大迫のコメントとして紹介した、田澤の「モヤモヤ」だった。
大迫「僕も大学生の時って、モヤッとしていた」
田澤も様々なテーマに対して、はっきり自分の意見を言葉にしてくれ、それは時にとても力強かった。だが、いくつか抽象的な質問ややりとりの中では、「自分はうまく言えないんですけど」とまだ意見を整理中ですという答えが返ってきた。