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堀口恭司が誓う、衝撃KOからの復活劇「格闘技の面白さを伝えられた」「来年みんなぶっ飛ばしてチャンピオンになるんで」
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byNumberWeb
posted2021/12/30 11:03
衝撃のKO負けを振り返った堀口恭司。しっかりと受け入れつつ、再び次のステージに視線を向けていた
――もう少し試合について教えてください。4ラウンド目まで優勢で進んでいました。相手からあのタイミングでバックブローが飛んでくることは予想していたのですか?
堀口 あれは全く予想してなかったです。予想していないパンチって、当たるとすぐああやって(敗戦に)繋がってしまう。もし意識できていたらもらわないですよ。まあ結果がすべてですから。
――4ラウンド目までは計算通りだったと感じていましたか?
堀口 ちょこちょこ、もっとこうした方がよかったなみたいなのはありましたけど、大体はできていたかなと。
――1年ぶりの試合ということで体の感覚はどうでしたか? 試合前のインタビューでは、膝の痛みも「当たり前」と話していました。
堀口 いつもと変わらないですよ。膝の痛みもほぼないです。スクワットに重りをつけてやった時にちょっと感じるぐらいで。まったく違和感はないし、自分が鈍感すぎて何も気づいていないです(笑)。
――試合前、最終調整として「空手」を取り入れるとお話ししていましたが。
堀口 本当はもう少し詰めたかったです。裏の話をすると、いつも(空手の師匠である)二瓶先生の息子さんを呼んで確認するんですが、今回は都合が合わなくて。そういうのもあったなと、今になっては思います。でも結果は結果なんで。次にそれを生かしていきたい。
――また這い上がる、ということに関して、自分で向いていると感じますか?
堀口 いつでも挑戦者の気持ちなんですよね。チャンピオンベルトを取っちゃうと、空っぽになっちゃうというか。挑戦している方が夢や希望をみんなに与えられているという感覚がある。そのためにアメリカにきたわけですし。
「敗戦」が気づかせてくれたこと
――今回の敗戦を機に改めて追いかけたい、強くなりたいという気持ちが強くなったということですか?
堀口 そうですね。また一からしっかり積み上げていかないとなっていう気持ちでいます。やっぱりたくさんの人たちに支えられている、期待もされているということを改めて感じました。それって本来は目に見えるものじゃない。でも最近は SNSもあるし、実際今回は親父やマネージャーたちに家に泊まり込みで来てもらって。そういうのを見ていると、いつの試合もそうですけど、自分の力だけでここまで来ているわけじゃないということに気づきますよね。だからデカいことは簡単に言えないというか。それは良くないことかもしれないですけど、「俺だけがすごいんだ」という感情にはならないです。
――格闘技はファミリー、チームだと。
堀口 ボクシングとか他の競技もそうだと思いますが、個人競技と言っても、特に総合格闘技はやることが多いのでそれだけ関わる人も多い。ましてや異国の地でやるとなると、日本でやるよりももっと多くの人が絡まないと上手くいかなかったりするわけですから。