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「戦いがないと生きていけない」林下詩美を追って柔道からプロレスに転身…“闘争心の塊”舞華が「もっと私を見ろよ!」と叫ぶワケ 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2021/12/27 17:05

「戦いがないと生きていけない」林下詩美を追って柔道からプロレスに転身…“闘争心の塊”舞華が「もっと私を見ろよ!」と叫ぶワケ<Number Web> photograph by Essei Hara

赤いベルトの女王・林下詩美をライバル視する舞華。ともに九州出身で、柔道という同じルーツを持つ

 もちろん、舞華のターゲットが林下であることは変わらない。

「ベルトに関係なく、結構シングルを戦ってきた。最初はフュ―チャー王座に挑戦して、負けから始まって、見下されていたんですけど。今年1月の1回目の赤いベルトは、もう一歩のところだった。そのあたりから意識してもらえたのかな。気持ちが対等になれたのは11月の代々木でした。それまで2勝2敗1引き分け。私の中では終わりにしたかった。体と体のぶつかりあいでした。結局、向こうが勝ったんですけどね」

 代々木競技場第二体育館で、舞華は林下に負けた。その瞬間は「心が折れかけた」そうだが、「やっぱりこいつを超えないと始まんねえよ!」とすぐに持ち前の負けん気が復活した。当時、舞華は右ヒジと腰、そして右足首に負傷を抱えていた。それでも入念に体のケアをして試合に挑んだ。

「代々木では痛みがなかったんです。アドレナリンも出ていたでしょうけど、ケガによる痛みはなかったから、安心して試合に臨めた。試合の後は痛みました。今も痛いです。でも、私はやりましたよ。全くどこも痛くなかったのはデビュー戦くらいかな。ケガをケアしながら戦うのもプロの仕事だと思う」

プライベートでも「プロレスから離れられない(笑)」

 ある意味で、舞華は“プロレス・バカ”なのかもしれない。試合やトレーニング以外でも、いつもプロレスのことを考えてしまうようだ。

「試合やトレーニング以外ですか? 家で飲んでいます。お酒が大好きなんですよ。家で飲んでいるときも、プロレスの映像を見ています。結局、私はプロレスから離れられない(笑)。お酒は基本ハイボールですけど、ワイン、焼酎、日本酒なんでも飲みます。ジュリアは安いお酒は飲まないんで、一緒のときはジュリアが用意してくれた赤ワインとかスパークリング・ワインとか、高いお酒で乾杯します。朱里は飲まないですね」

 キャラクターの濃い個性派レスラーが揃うドンナ・デル・モンド(DDM)だが、その結束は非常に固い。

「DDM全員ではめったに出かけないですが、息抜きで一回温泉旅行に行きました。私が幹事役をやって熱海に。たらふくお酒を飲んで、温泉に入って、秘宝館。『すげえ!』って私ひとりで盛り上がっていましたね(笑)。DDMの中で、私はたぶんムードメーカー。イベントではジュリアが司会進行。ジュリアがいなかったら、ひめかが進行役。朱里は多彩な濃いエピソードの持ち主で、なつぽいは癒し系。5人のバランスは最高だと思います」

【次ページ】 「普通の女の子に…」と願った父も娘の活躍に夢中

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