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《駒澤大学に進学予定》史上最速の高校生ランナー・佐藤圭汰(洛南)が誓う目標とは?「三浦龍司さんには負けたくない」
text by
太田涼(スポーツ報知)Ryo Ota
photograph byMiki Fukano
posted2021/12/26 06:00
数々の日本高校記録を更新し、“史上最速の高校生ランナー”とも呼ばれる洛南高の佐藤圭汰
「全国高校駅伝で、優勝を目指します」
3月、春の高校駅伝日本一決定戦と位置づけられる伊那駅伝でも、その強さは一層際立っていた。レース当日は、春の訪れを妨げるような冷たい雨が降っていた。佐藤は3区終了時点で首位の学法石川(福島)と32秒差の2位でタスキを受け、エース区間の最長4区(9・1キロ)を走った。突っ込んで、維持して、粘る。やや下り基調ではあるが、日本人最高記録を更新する25分31秒の区間賞で先頭に立ち、チームはそのまま逃げ切って優勝。区間2位に47秒の大差、同じペースで残り0・9キロを走った場合の10キロ換算は驚異的な28分3秒となる。だが、佐藤は冷静に振り返った。
「トップに立ち、優勝できたことは良かったです。ただ、個人としては25分12秒の区間記録を出したかった」
ケニア人留学生のポール・カマイシ(広島・世羅)が持つ区間記録に届かず、100%満足することはなかった。強さをとにかく求める、でもその結果としての速さにもどん欲だ。そして高校ラストイヤーの目標について、「1500m、3000m、5000mで日本高校記録を更新することです。そして、全国高校駅伝で、チームメートみんなで優勝を目指します」と、とんでもなく大きなことを淡々と語っていた。
「エグいですよね」日本高校記録を次々と更新
有言実行。7月のホクレンDC千歳大会1500mで99年に佐藤清治(佐久長聖)がマークした3分38秒49を上回る3分37秒18、10月の日体大長距離競技会5000mで昨年石田洸介(東農大二→東洋大)が出したタイムを約3秒更新する13分31秒19。そして11月。3000mで遠藤日向(学法石川→住友電工)の持っていた記録を超えた(ちなみにNumber編集部の取材で、石田洸介は「5000mはもっと大幅に更新されると思ってましたけど、3000mはエグいですよね」とコメントしていた)。
1km2分50秒ペースは「練習でもペース走で普通に走れる」と言い、「2分40秒くらいの方がリズムが気持ちいい。ゆくゆくは30秒台でもリラックスして走れるようにしたい」と既に大器らしい言葉がぽつりぽつりとこぼれる。
「自分の武器は、ハイペースで入っても後半の落ちが少ないこと。ただ、スプリントは課題です。そういう意味では、三浦さんは逆にスパートのキレが鋭い。ハイペースに余裕を持ち、持続することでラスト前までに勝負を決めたい。もし三浦さんと勝負するとしたらですか? 自分はサンショーは無理なんで(苦笑)、1500か5000ですかね。ラストスパートでは勝てないので、その前に勝負を決めたいです」