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《有馬記念》昨年のサラキア(2着)のように好走の可能性がある馬とは?“伏兵”が虎視眈々、クロノジェネシスも変わり身は充分 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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posted2021/12/25 06:01

《有馬記念》昨年のサラキア(2着)のように好走の可能性がある馬とは?“伏兵”が虎視眈々、クロノジェネシスも変わり身は充分<Number Web> photograph by Photostud

2020年の有馬記念を制したクロノジェネシス。今回のレースが引退レースとなる

エフフォーリアの鹿戸師「中間も順調」

 とはいえそれらの3歳馬を取り上げるなら、その大将格がエフフォーリア(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)である事は疑いようがない。先に紹介したタイトルホルダーやステラヴェローチェを再三負かしているばかりか、デビュー以来、ここまで6戦して5勝、2着1回。唯一の敗戦がハナだけ届かなかった日本ダービーだが、当時の勝ち馬シャフリヤールを共同通信杯(GIII)では破っている。

 また、前走は初めて古馬相手となる天皇賞・秋(GI)に出走。ここでは昨年の無敗の三冠馬でジャパンC(GI)を優勝するコントレイルを1馬身差の2着にまかして優勝。3歳馬としては2002年のシンボリクリスエス以来となる盾制覇を成し遂げた。ちなみにそのシンボリクリスエスは同じ年の有馬記念も優勝している。

 また、エフフォーリアの制した天皇賞は2着のコントレイル以下も好メンバー。3着が名マイラーのグランアレグリアで4着は続くジャパンCでも4着するサンレイポケット。また、5着のヒシイグアスは直後の香港カップ(GI)でラヴズオンリーユーと僅差の2着。つまり、エフフォーリアが負かしてきた相手は春当時から前走に至るまでそうそうたるメンバーなのである。

「最初に見た時から立派な馬だと思いました」

 そう口を開いた鹿戸調教師は更に続ける。

「ただ、若い時は体質面で弱いところがあったけど、そのあたりもだいぶ丈夫になってきました。デビュー当初はレースぶりも少し行きたがる面を見せたけど、1戦ごとに上手になっているし、この中間も順調なので期待しています」

 もしここを勝てば今年だけで3つ目のGI制覇。それも皐月賞、天皇賞、そして有馬記念というひと昔前には八大クラシックと呼ばれていた由緒あるレースばかり。年度代表馬の座もグッと近付く事になるだろう。自身初めて年間100勝を達成した若き名手・横山武史騎手騎乗というのも心強い。10番枠も悪くなく、この馬の走りにも注目だ。

伏兵も虎視眈々

 他にも絶好の2番枠からハナを奪えそうなパンサラッサ(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)、先週の朝日杯フューチュリティS(GI)を勝った武豊騎手騎乗のアリストテレス(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)、中山巧者のアサマノイタズラ(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)ら伏兵も虎視眈々。また、人気はなさそうだが個人的にはエフフォーリア騎乗の横山武史騎手の父・横山典弘騎手が乗るシャドウディーヴァ(牝5歳、美浦・斉藤誠厩舎)も侮れない存在だと思っている。前々走の府中牝馬Sでは直線に向いてもまだ後方で万事休すと思えたが、そこから楽々と突き抜け、後にエリザベス女王杯を勝つアカイイトらを置き去りにした。マイルで良い脚を使える馬が意外と通用するのが中山の2500メートル。一発の魅力がある。いずれにしても面白い大一番となる事を期待しよう。

 そんな今年の有馬記念は12月26日。少しだけ遅いクリスマスプレゼントはどの馬が届けてくれるのか。いずれにしろ好レースになる事を期待して、15時25分にゲートが開くのを待とう。

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