そういや、去年のグランプリもそうだった。

「打ったのはストレートです。岸さん、直人さん、そして蝶野さんこちらからは以上です」（真剣な表情で）

　このコメントの選考理由も、「調子が悪い時に岸（孝之）さんと（渡辺）直人さんに声をかけてもらって救われた」と言っていたし。なんやかや最後はおちゃらけず、しみじみテイストで締めるのか……あ。

　もしかして、あれに繋がるのか？

　話題となった、島内の契約更改。

　色紙に力強く記した＜ベンツ提供してもらう＞（もう1枚には＜背番号変更＞と書いた）。それについて、個人スポンサーとして契約し、上級の「Sクラス」を手に入れる野望を語ったそうな。チーム愛や協賛企業への感謝が根底にあるのは確かだろう。その一方で、ベンツへの伏線もあったのだとすれば、島内宏明あざとし……いや、クレバー。

貼るものをしっかり貼って寝れば来季もきっと…

――これは、来シーズンもますます島内選手の活躍とコメントに期待できますね。

　益田「そうですね。ファンのみなさんも楽しみにしていますんで、来年も引き続き面白いコメントを……」

　島内「来年って。やらないですよ」

　益田「そう言ってもやってくれるのが島内選手なんで。怪我なく1年間プレーして、今シーズン以上のコメントを出してほしいですね」

　島内「じゃあ、来年は二軍の試合でもコメントを出せるように。そこを目指します（笑）」

　シーズンオフ。懇意にするスコアラーと談笑し、貼るものをしっかり貼って寝て心身を癒すことができれば、来季も大丈夫だろう。

　柔軟性のあるスイングでバットをしならせれば、打球の飛距離が2倍になる……ことはないだろうが、GMにゴマをすり、監督やコーチに媚を売らずとも、一軍の舞台で化け物たちを打ち砕ける。以上（真顔で）。

（前編から読む）