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『M-1』伝説の逆転劇「鳥人」→「チンポジ」を笑い飯&パンクブーブーが振り返る「笑い飯は“あえて”優勝しなかった…が一番恥ずかしい」
posted2021/12/19 11:01
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Shigeki Yamamoto
――まず、お互い下の名前が「哲夫」なのですが、お2人はどう呼び合っているのですか?
佐藤哲夫(パンクブーブー) 僕は「哲夫君」と呼んでいます。
哲夫(笑い飯) 僕は「佐藤さん」という風に。
佐藤 よく僕らが言うのは、哲夫君が「哲夫B」で、僕が「哲夫C」だと。
――Aもいるんですか?
佐藤 って、必ず聞かれるので「Aは石立鉄男さんです」と。もう、古くてわからないかな。
――でも「佐藤さん」というのも少しピンときませんね。
佐藤 哲夫君が最初に(苗字の)「中西」と取ったのがズルいわ。
哲夫 ずっこしちゃいました。
「チンポジ」はどこでやっても大爆笑のネタだった
――今回は、ひとまず、「哲夫」と「佐藤」でいきましょう。さっそくですが、お2人は2009年のM-1決勝で、ともに最終決戦まで勝ち進まれています。笑い飯は1本目、今や伝説となっている「鳥人」というネタで島田紳助さんが史上初の100点をつけるという快挙を達成されました。しかし、2本目は「チンポジ」というネタで会場を引かせてしまい、別の意味で、もう一つ伝説を作りました。一方、初出場のパンクブーブーは「隣の住人」「陶芸家の弟子」と、2本とも非常に完成度の高いネタを披露し、会場を唸らせました。ファイナルジャッジを待っているとき、それぞれどんな心境だったのですか?
佐藤 それよりも「チンポジ」って、滑ってたの?
哲夫 いつもより感触がないというか、「あれ?」という感じではありましたね。というのも、「チンポジ」はどこでやっても大爆笑のネタだったので。
佐藤 芸人たちが控えていた舞台裏では大爆笑だったから。あとになって滑ったみたいな言われ方をしたけど、俺らはわからなかったな。ただ、僕らもめっちゃウケたという自信はあったので、ちょっとは(優勝の可能性も)あるかな、と思っていました。ところが、蓋を開けて見たら、全審査員が僕らに投票してくれていた。まさか満票だとは思っていなかったので、優勝の瞬間もびっくりしちゃって。歴代王者で、あんなにうまく喜べていないコンビはいないでしょう。
「全国ネットで下ネタはリスク高いよ」
哲夫 (大型モニターの)1人目の審査員の名前が引っくり返って「パンクブーブー」って見えたとき「チンチンポジション」って見えたんです。
――本当ですか?