哲夫　そういう風に言われるの、いちばん恥ずかしいんですよ。変に伝説化しようとしているみたいな空気もあって。

佐藤　あの舞台で、そんな余裕ないよな。

哲夫　めちゃめちゃ1000万円、獲りにいってますから。んなアホなこと、しませんよ。

佐藤　ただ、僕らは「笑い飯が自滅してくれてよかったな」みたいな言い方はよくされました。優勝したのに「さすが」じゃなくて、「ラッキー」みたいな感じで言われて。

哲夫　それは申し訳ないですね。

©Shigeki Yamamoto

佐藤　いやいや、笑い飯が悪いわけでもなんでもないし。でも、あれも不思議なんだけど、同じタイプのネタを続けて、いいときとダメなときがあるんだよな。うちらは2010年、そのパターンをやって2本目はめちゃくちゃ滑ったから。

――敗者復活戦から勝ち上がった年ですよね。画期的なネタでした。お客さんには実際、そう言ったように錯覚させといて、次々とそれを覆していく。「『おい！　何やってんだ！』……って言うタイミングをうかがってたんだよ」「言ってはないんだな」「うん、言ってはない」みたいな。1本目は、あれで1位通過を果たしました。

佐藤　1本目は大爆笑だったから。あの年は、どうであれ、あのパターンのネタを2本続けようと思っていたんです。というのも2009年に優勝したとき、「パンクブーブーのネタって、わかりやすくていいよね」という評価も悔しかったんです。特徴がない、と言われているようで。だから新しい形を作って、2010年、もう一度出ようと。

――それで、あのネタに至ったわけですね。

©Shigeki Yamamoto

佐藤　パンクブーブーといえば、こういうネタをやる人たちだよね、というのを印象付けたかった。だから2本目は滑りましたけど、そこはよかったのかな、と。

哲夫　僕らもそういう意味ではよかったんか。笑い飯と言えば、「チンポジ」というのを印象付けられたから。いや、ええことないやろ。

＜#2へ続く＞