村田諒太「王者の本棚」BACK NUMBER

『銃・病原菌・鉄』上・下 感染症を考える上で役に立つ、人類史を変えた過去の事例。 

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村田諒太

村田諒太Ryota Murata

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posted2021/12/15 07:00

『銃・病原菌・鉄』上・下 感染症を考える上で役に立つ、人類史を変えた過去の事例。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『銃・病原菌・鉄』上・下 ジャレド・ダイアモンド著 倉骨彰訳 草思社文庫 各990円

 新型コロナウイルスが猛威をふるう20年前に日本でも出版されたアメリカ人学者による1万3000年に及ぶ人類史の本書。タイトルになっている「銃・病原菌・鉄」は欧州人が他の大陸を征服できた要因の代表例であり、それらが有利に働いてヨーロッパ中心の文化がつくられていったという流れがよく理解できます。

 この本を手に取ったきっかけは、まさに病原菌のところです。コロナを考察するなら、人類と病原菌がどのような歴史をたどってきたのかきちんと知っておきたいという思いに駆られたからです。

 たとえば本書にはこうあります。

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