村田諒太「王者の本棚」BACK NUMBER
『新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』常に更新される身体のように、サスティナブルに自分を保つ。
text by
村田諒太Ryota Murata
photograph bySports Graphic Number
posted2021/07/14 07:00
『新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』福岡伸一著 小学館新書 924円
今の自分は分子レベルで見ると過去の自分と“別物”だそうです。
動的に自分を保っている「動的平衡」という概念。著者で分子生物学者の福岡伸一さんの説明によれば「生体を構成している分子は、すべて高速で分解され、食物として摂取した分子と置き換えられている。身体のあらゆる組織や細胞の中身はこうして常に作り変えられ、更新され続けているのである」。つまり、常日頃の食事がどれほど大切か。簡単に言えば体に良くないものを毎日食していると、調子も悪くなる。科学的な根拠に基づいて仕組みを解説してくれているので、一つひとつが腑に落ちる思いでした。