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オリベイラの急死「選手には前に進もうと話しました」 …湘南は“過酷すぎた残留争い”をどう乗り越えたのか?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2021/12/06 17:02
最終節までもつれ込んだJ1残留争い。前年J1最下位に終わっていた湘南ベルマーレは徳島の敗戦でJ1残留を決めた
「試合に勝てなかったのは残念でしたけど、選手が見せてくれたパフォーマンスは非常にポジティブなものだったと思います。思いがあってプレーしたからこそ最後、残留に繋がったと思いますし、非常に楽しい90分でした」
山口は、追い込まれた試合も楽しんでいた。
選手の「生き残る」という強い気持が前面に出た試合だったが、指揮官の楽しむ姿勢が選手の余裕度やアグレッシブなプレーに繋がった。残留争いに最終戦で生き残ったのは、もしかするとそこに徳島との差があったのかもしれない。
「たのしめてるか。」
湘南のスローガンである。
それは、奇しくも山口の信念と同じ。目指す方向が同じなら、これから先も迷うことなく、「湘南スタイル」を進化させることができる。
3カ月の苦しい経験は、来シーズンにこそ生きるはずだ。