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落合博満監督の“賛否と神采配”伝説 「そうだ相手は落合さんなんだ」「素材に恵まれた選手に出会えて幸せだよ」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byHideki Sugiyama
posted2021/12/08 17:03
2006年日本シリーズでの落合博満監督。00年代~10年代初頭の中日は黄金期を迎えた
「なぜか最後は岩瀬さんで締めるんじゃないかという気がしたんです」(金子)
「9回は(左の)岩瀬が来ると思います。だから右の代打を用意した方がいいです」(白井ヘッドコーチ)
田中幸を含めて共通したもの。それは「落合さんだから」常識にとらわれない采配をしてくるのでは、という畏敬の念だった。その采配に対して、極度の重圧の中でマウンドに上がった岩瀬が“いつも通り”3人に斬って取り、日本一をつかみ取ったのもまたさすがなのだが……。
名捕手・伊東勤の興味深い“落合監督論”とは
なお、俯瞰した立場からの興味深い視点がある。西武の名捕手として知られた伊東勤だ。2004年の日本シリーズを指揮官として落合と戦い、解説者としてこのシリーズを見つめた中で、継投策について「代えたことはもちろん驚きだった」と前置きしつつも、こう総括した。
「2004年は、『オレの言うことが正しい、オレはオレ流でいく』というスタイルが前面に出ていた。もしあの時、今回と同じ場面が訪れていたら、山井に聞くこともせず、すぱっと代えていたかもしれない。(中略)自分が何も言わなくても選手が動いてくれる、理想に近いチームが完成したという自負があったからだと思う」(Number691号より)
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