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親会社の業績は600億円以上アップ? 2021年の大ヒット競馬ゲーム「ウマ娘」が塗り替えた“数字”とは 

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河村鳴紘

河村鳴紘Meikou Kawamura

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photograph byCygames, Inc.

posted2021/12/04 11:02

親会社の業績は600億円以上アップ? 2021年の大ヒット競馬ゲーム「ウマ娘」が塗り替えた“数字”とは<Number Web> photograph by Cygames, Inc.

2021年にメガヒットした「ウマ娘 プリティーダービー」

 サイバーエージェントのゲーム事業の四半期(3カ月)の売上高は、「ウマ娘」が出る前までは、概ね300億円~400億円。本業のもうけを示す営業利益は30億円~100億円で推移していました。

 ところが「ウマ娘」の配信以降は一気に変わります。四半期の売上高は、600億円~900億円。営業利益は230億円~440億円です。要するにゲーム事業の売上高は2倍以上になり、営業利益はそれ以上となりました。もっと生々しく言うと、ゲーム事業の通期営業利益は、前年度比で何と約660億円増(303億円→964億円)となっています。決算では個別タイトルの詳細に触れられていませんが、今回の躍進に「ウマ娘」の貢献度が高いのは、さまざまなデータが裏付けています。そして、コンテンツの価値、ビジネス展開の可能性を考慮すると、それ以上の価値なのは言うまでもありません。

古参も新規も取り込む“抜群の面白さ”

「ウマ娘」のスマホゲームは、競馬との親和性の高さもあります。競馬は年を追うごとに(当然ながら)新しいスターホースが必ず生まれ、ライバルとの名勝負が繰り広げられます。その名勝負がコンテンツになり、演出を加えて再びゲーム内で再現されます。競馬好きなら喜ばないはずはありません。名馬と名勝負というコンテンツを利用し、価値を高めているウイン・ウインの構図です。

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 その上で、「ウマ娘」の功績は、JRAのテレビCMにも反応しない、競馬に興味のない層にアプローチしたことでしょう。スターホースが次々と出現した平成の競馬ブームの要因はいくつか指摘されていますが、その中に競馬ゲームの影響もあると言われています。

「ウマ娘」のすごさは、美少女キャラと競馬を融合させ、普通とは異なる視点で競馬の魅力を生み出し、面白いゲームとして昇華させたことでしょう。どのビジネスでも、新規のファンを増やすことは大変なのですから。

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