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《チャンピオンズC》ソダシの“ダート挑戦”は本当に成功するのか? “芝GIホース”がダートに挑んだ「成功例」から分かることとは
posted2021/12/04 06:02
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
KYODO
日本ダービー(GI)2勝など、ジョッキー時代は名手として知られていた小島太氏。
1996年に調教師免許を取得すると2018年に70歳の定年を迎えるまで、調教師として活躍した。
マンハッタンカフェによる菊花賞(GI、2001年)、有馬記念(GI、同01年)、天皇賞・春(GI、02年)などの勝利が有名だが、大きな勲章を初めて手にした馬はイーグルカフェだった。
「見るからに丈夫そうなタイプで、確実に勝ち上がってくれるだろうというのが最初のイメージでした。体型はいかにもアメリカの短距離馬という感じだったので、ダートの短いところが合うのかと考えていました」
「ダート馬」ながら芝で結果を出したイーグルカフェ
だからデビュー戦はダートの1200メートルにした。1999年11月、東京競馬場の新馬戦は3着。2戦目は少し距離を延ばして1600メートル。ここも同じくダートだったが結果は2着と勝てなかった。
「ダート馬だと思っていたけど、意外と勝ちあぐねました。そこで改めて走りを見ると柔らかくて素軽い感じがある。だから3戦目には芝を使いました」
中山競馬場の芝1600メートル。これを使うと初勝利を挙げた。
「ダート馬だろうという印象が変わったわけではないけど、芝も走れる事が分かったので、この後はしばらく芝を使いました」
すると2000年の京成杯(GIII)を9番人気ながら2着に好走。そして、続く共同通信杯(GIII)はあっさりと優勝してみせた。
「いずれも岡部(幸雄元騎手、引退)ジョッキーに乗ってもらいました。彼は僕がジョッキーとして一緒に乗っていた時から『凄く上手い騎手』と一目を置いていた人。期待に応えてくれる手綱捌きを披露してくれ、厩舎にとって初めての重賞制覇を成し遂げてくれました」
その後、ひと叩きを挟んでNHKマイルC(GI)に出走させると、これも優勝した。
「岡部ジョッキーならやってくれる可能性も充分にあると思って臨みました。でも、実際に勝ってくれると、正直こんなに早くGIを勝てるとは信じられない気持ちもありました。それにしても、最高に光った騎乗をしてくれたジョッキーが神様に見えました」