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「日本はもう少し手強いと思っていた」ラグビー日本代表の欧州遠征《1勝2敗》を対戦国はどう見た? “弟分”ポルトガルとは再戦も
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph byGetty Images
posted2021/11/26 17:02
欧州での3戦を終えて今年度の活動を終了したラグビー日本代表。課題と収穫を得て、次のフェーズに進む
翌日の現地紙ではこの試合を「歴史を変える大勝利目前での惜敗」と題して評し、試合終了前のFB山中亮平のインターセプトにつながったプレーを悔やんだ。しかし、歴史的な勝利まであとパス1つのところまで迫ったという内容をポジティブにとらえ、選手たちの健闘を讃えている記事がほとんどだった。
また、試合後にポルトガルラグビー協会は日本ラグビー協会から2023年W杯開幕までに日本での試合開催の招待を受けたと発表。アマド・ダ・シルバ会長はその場で快諾したという。詳細は後に協議されるとのことだが、この対戦を再び観ることになるのは、それほど遠い未来ではないかもしれない。
代表チームの愛称である「オス・ロボス」とは、ポルトガル語でオオカミという意味。最後まで兄貴に牙を剥いてきたポルトガル代表が2023年にフランスの地にやってくるのを期待しよう。
司令塔がキャプテンと衝突!?
「ラインアウトからトライを取りに行こうぜ!」
「バカ言ってんじゃねーよ!」
スコットランドが生んだ最大のファンタジスタ、SOフィン・ラッセルと熱いプレーでチームを牽引するキャプテンのFBスチュアート・ホッグが、日本戦の試合終了3分前にした会話である。
26-20でスコットランドがリードした場面で迎えたマイボールのペナルティー。スコアや時間帯を踏まえて常識的に考えれば、キックで3ポイントを狙うのが定石である。にもかかわらず、ラッセルはトライを狙うことを強調した。
英国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北部アイルランド地方)でこの秋の代表戦を中継するアマゾン・プライムのコメンテーターたちは、「ラッセルとホッグの異なる人間性の衝突!」と煽り、この会話を騒ぎ立てた。最終的にはラッセルがホッグの言うことを聞き、ペナルティーゴールを決めて29-20でスコットランドが日本を退けた。
だが試合後の会見でホッグの口から、この会話の新たな事実が公表された。