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「日本はもう少し手強いと思っていた」ラグビー日本代表の欧州遠征《1勝2敗》を対戦国はどう見た? “弟分”ポルトガルとは再戦も
posted2021/11/26 17:02
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph by
Getty Images
ラグビー日本代表の秋の欧州遠征は1勝2敗に終わり、収穫よりも課題が目立つ結果となった。だが、欧州の強豪国に比べて国内リーグ、代表活動が長期の中断を強いられた日本ラグビー界の状況を考えると、仕方のない結果だったのかもしれない。
ワールドカップを軸にして「4年サイクル」で強化が行われる世界のラグビー。特異な事情を抱えながらも強化を続ける日本代表の現在地を、対戦国の視点も交えて振り返ってみよう。
まさかの大敗、現地メディアの反応は?
11月6日、欧州遠征初戦の相手となったのはアイルランド。現地メディアは日本との対戦を、翌週11月13日に行われるニュージーランド戦へ向けたウォームアップゲーム、という意味合いで捉えていた。2019年W杯という大舞台で敗戦を喫したものの、油断さえしなければ負ける相手ではない、というのが現在の力関係だろう。事実、日本は、7月3日はブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの遠征に参加する主力8選手を抜いた若手主体のアイルランドに31-39で敗れている。
今回の試合では夏の試合に出場しなかったライオンズ組やW杯も欠場したチームの大黒柱であるSOジョニー・セクストンが復帰。ベストメンバーで臨んだアイルランドは、序盤から激しいプレッシャーでボール争奪戦を圧倒し、細かいパスを繋いでグラウンドの幅を広く使った攻撃を披露した。
前半から防戦一方となった日本代表のDFラインには綻びが生まれ、ミスやペナルティーも重なった。WTBシオサイア・フィフィタのトライで一矢を報いたが、代表100キャップという偉大な節目を迎えたセクストンのメモリアルトライも生まれるなどアビバ・スタジアム(ダブリン)はお祭りムード。9トライを奪われ、5-60という大差がついた。
日本が50点差以上をつけられたのは2011年W杯ニュージーランド戦以来。まさに完敗だったと言える。